2011年、会社に対して不信感を抱く出来事がありました。
「2011年の東日本大震災の日も終日きっちり営業し、翌日も通常通り出勤することが求められました。電車が止まっていたので帰宅できず、私は店の近くの先輩の家に泊めてもらい、そこから出勤したんです。緊急時にも従業員の安全に配慮しない会社の無神経さにがっかりし、『2年は我慢してそのあとは転職しよう』と決意しました」
スキルゼロ転職の厳しさに直面する
入社して2年経ったところで、転職活動を始めた里香さん。様々な転職情報サイトに登録してみたものの、やはり「事務志望なのにパソコンが使えない」ということがネックとなり、なかなか希望の仕事と出会うことができません。誰かに相談したいと、訪れたのが大手の転職エージェントでした。
「コンサルタントの方が丁寧に話を聞いてくださり、今までの仕事の棚おろしをしてくださったんです。その上で『本当に事務職が希望なんですか?』と、改めて問いかけられました」。
人前が苦手だからという理由で、なんとなく事務職を志望していたものの、営業店では顧客対応も行っていたこともあった里香さんは、エージェントに勧められ、事務職にこだわらず、新しいスキルが身に着けられそうな仕事に挑戦してみることに。
そして転職先に決まったのは、それまでいた会社とは真逆の大手IT企業。ここで、里香さんは「性格が変わった」と話します。
来週に続く。
文/井上佐保子 写真/PIXTA