人を育てる仕事がしたいと気づく

 その後、サービスの運営側となる企画部に異動となり、サービスのルール作りなどに関わるようになります。営業のように直接売上げに貢献することができない企画の仕事に、少しやりがいを見失いかけていたこの頃、転職3年目にして新入社員の指導係を任せられ、ある思いが芽生えます。

 「最初はぱっとしなかった人が、入社してどんどん変わっていく姿を見ているうちに、人を育てることは、営業以外で利益を生み出すための、最も大事な仕事ではないか、と思うようになったんです」

 人材の採用や育成といった仕事に興味を持ち始めた里香さんは、契約期間が切れるタイミングで、以前お世話になった先輩からの誘いを受け、採用支援を行うベンチャー企業に転職することを決意します。

 この会社では様々な企業の新卒採用支援の仕事を行っており、里香さんは転職後すぐに、クライアント企業の採用活動のお手伝いに走り回ることになります。「クライアント企業の学生向け会社説明会を代行したり、学生さん向けにブログ記事を書いたり、採用担当者に成り代わったような気持ちで夢中になって仕事をしていました」

 3カ月にわたる採用支援活動は無事に成功し、クライアント企業からも喜ばれたのですが、里香さんは「自社の採用活動だったらもっと嬉しいかもしれない。自社の採用活動をやってみたい」と思うこともあり、素直に喜べなかったといいます。

 その頃、偶然参加することになった友人の会社の飲み会で、転機が訪れます。

プライベートな飲み会が転機になる

 酔っぱらって「私、自社の採用や人事の仕事がやってみたいんです~」と大声で話していたら、なんとその場にいた会社の役員の方から「じゃあ、うちに来なさい」と勧誘を受けたのです。

プライベートの飲み会で自分がやりたいことを話していたら、仕事が舞い込んできた(C)PIXTA
プライベートの飲み会で自分がやりたいことを話していたら、仕事が舞い込んできた(C)PIXTA