手取り額はどこに書いてある?

 給与明細とは、その名の通り、お給料の明細を示した書類のこと。「お給料は会社から提示された金額じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実際に受け取るお給料は、会社が支払っている金額とは異なります。その計算根拠を示しているのが、給与明細です。

 明細を受け取ったら、まず何よりも気になるのは「手取り」ですよね? そこで、「差引支給額」という項目を探しましょう。下記の例では給与明細の右下にある、「188,293」円です。これが、お給料日に銀行口座に振り込まれる手取りの金額です。皆さんの中には、1年目より2年目の方が手取り額が減って驚いたという経験のある人もいるのではないでしょうか。給与明細の内容について理解できれば、その仕組みが分かります。今から詳しく説明しますね。

 では、この手取り額は、どのように計算されているのでしょうか? その詳細が、支給額を示す「支給」欄、控除額を示す「控除」欄に書いてあります。私たちが受け取る手取り額は、会社が従業員に支払う「支給額」から、税金や社会保険料を差し引いて決まります。差し引く金額のことを「控除額」といいます。

基本給や手当は「支給」欄をチェック

 支給欄には、会社が従業員に支払うあらゆるお金が記載されています。まずチェックしたいのが基本給。雇用契約で定められた基本の給与額が記載されています。この例では、「200,000」円が基本給です。就職情報などで示されている給与額は、一般的に基本給を指しています。

 基本給のほかに、会社から受け取るのが「手当」です。業務の熟練度やスキルに応じた「職能手当」や、役職に応じた「役職手当」がつけば、基本給にプラスして支給されます。また、残業代は「時間外手当」、通勤にかかる交通費は「通勤手当」、家賃などの補助は「住宅手当」として記載されます。他に、資格が必要な業務を行った場合などに支給される「資格手当」、パートナーや子どもを扶養していると補助される「家族手当」なども、支給欄に記載されます。

 支給される給与や手当のうち、通勤手当以外の項目は所得税や住民税の対象になります。この税額は、後ほど説明する「控除欄」で差し引きます。このため、支給額のうち課税対象になる金額の合計が「課税合計額」として記載されます。この例では、支給される「224,000」円のうち、20万円が課税対象額になります。


※1カ月あたり15万円までは非課税です。