保険内容はしっかりチェック

 海外旅行でカードを活用するもう一つのポイントが、保険です。クレジットカードには「海外旅行傷害保険」が付帯されているものがあり、旅行中に万が一死亡したり、病気になったりしたときに保険金を受け取ることができます。

 ただし、保険でカバーされる範囲はカードによって大きく異なります。一般的に、旅行中に死亡したとき、ケガや病気で治療を受けたとき、そのために家族が現地に駆け付けるとき、賠償責任を負ったとき、持ち物が壊れてしまったときにかかる費用が補償されます。

 ゴールドカードなどは、こうしたアクシデントで受け取れる保険金額の上限が比較的高い傾向にあります。一方で、カードによっては保険金額が低く、いざというときにクレジットカードの保険だけでは足りないこともあります。

 またクレジットカードの保険には、「利用付帯」といって、出発前に旅行代金をカードで支払ったり、空港までの交通費をカード払いにしたりして初めて、補償の対象になるものがあります。クレジットカードを持っていても、使わなければ保険は有効ではないわけです。

 これに対して、旅行に関してカード払いをするかどうかにかかわらず保険が付帯されるのが「自動付帯」です。ご自身のクレジットカードの保険が「利用付帯」なのか「自動付帯」なのかは、出発前に必ず確認しておきましょう。

 旅行中には、他にも思わぬアクシデントに見舞われることがあります。例えば、旅行先の空港で手荷物が届かなかった、飛行機が遅延して予定日に帰国できなかったなどです。現地で旅程以上に宿泊を余儀なくされたり、着替えや日用品を購入したりしたら、予定以上に出費がかさんでしまいます。

 クレジットカードの海外旅行保険では、こうしたケースに対応できるものはあまりありません。旅行中のアクシデントに広く備えるなら、損害保険会社の海外旅行傷害保険にも加入しておくと安心です。

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 カードは海外旅行のさまざまなシーンで活用できます。上手に使いこなして、海外旅行を何倍も楽しんでくださいね。

文/加藤梨里 イラスト/とげとげ。