出産前後にもらえる産休手当

 働く女性が赤ちゃんを産むときには、それまでと同じように働くのは難しいものですよね。そこで、赤ちゃんが生まれる前後には休業を取ることができます。また、休業によってお給料が下がったり支給されなかったりした場合には、手当を受け取れます。

 まず、妊娠中に切迫流産などのトラブルで入院したり、医師の判断によって休業したりしたときには、健康保険の「傷病手当金」給付の対象になります。これは妊娠に限らず、あらゆる病気やケガで仕事を連続して4日以上休んだときに受け取れるもの。お給料を日割りした金額のおおよそ3分の2を、休んだ日数分(仕事を休み始めた最初の3日分を除く)、最長で1年6カ月間受け取れます(詳しい解説は「女性は一生でいくら稼げる? 人生設計は長い目で見て」、「 知っておきたい! いざというときのお金と備え」、「 独身でも保険は必要? いざというときの備えと心構え」でも解説しています)。

 出産が近づいてきたら、産前産後休業を取れます。生まれる前の「産前休業」は、出産予定日の6週間前(双子以上は14週間前)から、希望により取得できます。また、生まれた後の「産後休業」は、出産翌日から8週間とされており、この期間は法律で就業できないと定められています(ただし産後6週間が過ぎて医師が認めた場合は、希望により働くこともできます)。つまり、出産の前後98日間がいわゆる「産休」に当たります。

 実際の出産日が予定日とずれた場合、出産日は産前の期間に含まれ、予定日より遅れた場合にはその分も休業期間に含まれます。ですから、産休の期間はおよそ100日程度になるのが一般的です。

 産休中にお勤め先からお給料が出ないときは「出産手当金」が支給されます。おおよその給料(標準報酬月額)の3分の2が、休んだ日数分、日割りで支給されます。例えば月給20万円なら、産休手当の総額は20万円÷30日×2/3×98日(産前42日+産後56日分)=約43万円になります。出産が予定日より遅れて休業日数が長くなっても、支給対象になります。

 また、産休中は健康保険や厚生年金の保険料は免除されます。働いていた時にはお給料から天引きされていた分について、お給料を受け取れない期間に自分で支払う必要はありません。