「楽しいことをしていたい」がこれからのスタイル

 50代以上くらいの方々は、肩書きにこだわる人、多いですよね。そして若い世代を批判する。「やりたいことが分からないなんて、なっとらん。目標は明確に持つべきだ」と。「最近の若いやつは」という批判はいつの時代も繰り返されているようですね。

  でもね、「若い世代のほうが劣っている」というのが本当であれば、人類はこれほど発展しなかったはずで、生物進化の理論からいっても種として優れているのは絶対に若い方なんですよ。

 言っちゃっていいですか?

 肩書にこだわるのは、戦後の化石人種! 気にしなくていい。若いやつの言うことには自分たちが知らないことがあるという前提に立って、まず肯定することが大事じゃないかと僕は思う。

 不可解な言動だったとしても、「どこかに未来対応している部分があるんじゃないか?」「彼らの方がきっと正しい」と真っ白な気持ちで見てみる。すると、やっぱりいろんなことが見えてくるんですよね。

いまどき、肩書きにこだわるなんて古いっす  写真/洞澤佐智子
いまどき、肩書きにこだわるなんて古いっす  写真/洞澤佐智子

 例えば「やりたいことが見つからない」という一言を掘り下げていくと、確かに今の10~20代というのは物心ついたときから世の中がものすごいスピードで変化していて、「町の写真屋さんがスマホの登場で潰れちゃう」なんていう現象も目の当たりにしている。

 何か特定の職業を決め込むリスクを感じられる肌感覚を体験として持っているからこそ、「なりたい職業を決められない」となる。すごく合理的な言い分なんですよ。彼らの話を聞いていると、むしろただ漠然と「楽しいことをしていたい」というくらいがこれからの時代には合っているのだろうと僕も思うようになりました。