投稿アイデアは5000件にものぼる

 昨年3月からスタートしたHappy Back To Workでは、特に産休・育休中の女性の復職を支援するためのアイデアが5000件も寄せられた。そのアイデアに賛同するサポーター企業は700社、実際に企業に取り入れられたアイデアはのべ1600例にのぼる。

 グーグル Women Will プロジェクトリード・山本裕介さんからはHappy Back To Workに寄せられたアイデアと分析結果が発表された。

 「Happy Back To Workには、たとえば保育園のお迎えで退社する人に『帰社時のすいません禁止』といったアイデアから、『会社の歓送迎会は夜ではなくランチ会にしよう』『18時以降の会議は原則禁止』など、さまざまなアイデアが寄せられました」(山本さん)。

 寄せられたアイデアを分析した結果、女性が働き方を変えるには、下記のような、男性によるアクションや企業・社会によるアクションが必要だと、山本さんは言います。

1.男性が働き方を変える
【寄せられたアイデア例】
・男性には2週間の育休より1年間の定時あがりを

2.男性が育児・家事を支える
【寄せられたアイデア例】
・育児家事って手伝うものじゃない。当然シェアするもの
・男性が早く帰って子供をお風呂に入れる曜日を決める
・パパと子どもで作れる「パパ子お料理レシピ」を開発しよう

3.企業・社会が働き方を変える
【寄せられたアイデア例】
・在宅勤務が普通にできる社会に
・時間ではなく成果で正当な評価を
・残業を勤務が始まる前にできる「前業制度」

4.企業・社会が育児・家事を支える
【寄せられたアイデア例】
・子連れ出勤ができる職場に
・社内託児所は難しいけれど、ビルや区画でシェアを
・親にヘルプを頼んだ時の費用は税金控除

 グーグルではこれらのアイデアと分析結果を踏まえ、2016年は「未来の働き方トライアル」の実施を宣言。たとえ最初は一部署からでも改革を起こし、すべての女性が働きやすい環境を整えることを目指す。同時にWomen Willに賛同するサポーター企業700社のうち52社では3月14日から4月末にかけて、復職女性を支援する「Happy Back To Work WEEKS」も開催中だ。

 賛同企業のうちNTTドコモでは「ママだってフルタイムで働きたい」との声を取り入れ、始業時間を前倒しするスライドワークを実施しているという。また、東京急行電鉄では「管理職も育休を」を合い言葉にイクボスセミナーを行っているという。