同一労働同一賃金が「スマート社員」を可能に

 続いて、各社が取り組みの特色を紹介。LIXILの成田さんは、取り組みの要は「トップの強いリーダーシップ」だといいます。ポジティブアクション(管理職への女性の積極登用)の結果、2012年時点で22名だった女性管理職は2016年には167名になり、新卒女性の採用数も2014年から2016年にかけて3年連続で30%以上を達成したそうです。女性のプロジェクトリーダーを増やす施策も行いました。

 また、女性デザイナー開発商品のグッドデザイン賞受賞などが女性活躍推進の結果として出ているとし、「意識改革もやっていますが、やはり実績を出して見せるのが重要なポイントだと思います」と成田さん。

 りそなホールディングスの杉本さんは、特色のある制度として、社員とパートナー社員の間に位置するスマート社員(限定正社員)を紹介しました。「勤務時間限定型」と「業務範囲限定型」の2種類があります。「同一労働同一賃金」の考え方に基づき、職種変更時も従来と同じ職務グレードが適用される仕組みのため、「能力相応の仕事をやらせてもらえないというように、キャリア形成に影響が出ることはない」のだそう。

 一方で、転居を伴う転勤や休日の突発的な対応、時間外のトラブルは社員が優先的に対応するため、職種間で賞与や福利厚生などに差を設けることで、「公平性や社員の納得感の醸成」を図っているそうです。

 最後にサントリーホールディングスの弥富さんが、2010年から実施している「S流仕事術」を紹介。「無駄のない、スリムでスピーディー、かつスマートな仕事をすることで、時間配分を適正化」し、「時間生産性を上げる」ことを目的とした取り組みです。具体的には「新たな制度構築」「IT活用」「風土醸成」に力を入れており、例えば、「テレワーク・フレックスタイム制度」は昨年末時点で従業員の約7割である4460名が登録しているとのこと。