妊娠期から復職までのロードマップを作成

 最後に各社から、成功ポイントや現在取り組んでいる課題が紹介されました。

 りそなホールディングスの杉本さんは、経営者のコミットメントと、女性社員の声を経営に反映させることを目的に発足した「りそなWomen’s Council」の活動が重要だったと振り返ります。今後の課題としては、管理職比率は着実に増加しているものの、本部の部長クラス、支店長クラスなどの経営層が手薄なため、育成の工夫を考えているそう。加えて、「男性社員の意識改革にも取り組んでいきたい」とのこと。

 サントリーホールディングスの弥富さんは、パイプライン確立に向けた取り組み事例として、「女性リーダーフォーラム」を紹介しました。女性マネージャーや管理職経験者の有志9名が中心となり、イベントなどを開催しているそう。弥富さんは「自立自走して活動」が行われているのを見て、「会社に変革が起こりつつある」ことを実感したそうです。

 最後にLIXILの成田さんは、「キャリア形成のサポートが必要」という課題への取り組みを紹介しました。毎年約200名が育休に入っていることを背景に、妊娠が分かった時点から職場復帰するまでの個人のロードマップ「ままっぷ」を作成。ワーキングマザーの声を基に、「この時期にこういうことをしてほしい」ということを、上司と面談をしながら作成するものだそうです。

 会場には多くの来場者が集まり、各社の取り組み事例について熱心にメモを取る様子が見受けられました。

文/飯田樹 写真/佐々木辰生