AIで生まれる未来に必要なのは学び続ける意識

――コンチネンタル社はもともとは創業145年のタイヤメーカーで、今や自動運転車に必要なキー・テクノロジーをたくさん持っているとお聞きしています。

 自動運転に関してはリーディングカンパニーと自負しています。自動車の「目」ともいえるさまざまなセンサーやカメラが、車や道路の状態、天候状況などを把握します。そして近くを走る車からの情報も含め、車から得た情報をクラウド上で解析してクルマに指示をフィードバックする「頭脳」や、それらと連動して作動する電子制御ブレーキシステム「足」があります。自動運転車に必要な、さまざまな高度運転支援システムや電子機器、センサーやソフトウエアなどのデジタル技術があるのです。

――自動運転が当たり前の未来社会では、今、私たちの多くがしている仕事もコンピュータやAIに置き換えられてしまうのではないかという不安があります。

 確かにコンピュータやAIの登場で職場環境は変わっていくでしょう。例えばコールセンターの仕事は将来的になくなってしまのかもしれません。でも、反対にこれから新たに誕生する仕事があるはずです。それが何なのか、どういう才能やスキルがその仕事に必要なのかを慎重に見ていく必要があると思います。

 ですから、みんなが生涯学び続けるという意識をもっていかなければならないと思います。競争をしっかり生き抜いて、自分の才能を磨き続けることが重要です。

 女性は、従来女性の仕事とされてきたものを選びがちです。例えば美容師さんとか、教員とか。

 でも、そういった女性にも、もっと技術フィールドにも目を向けてくださいと言いたいですね。医者になれば人の命を救えますが、ソフトエンジニアになって人の命を救うこともできるわけです。

 自動運転というのは、ソフトウエアが組み込まれていますが、それによって障害物を検知したら迅速に反応を取って減速しますので、そういう意味で命を救うことだってできるのです。自動運転にソフトウエアの開発は欠かせませんので、積極的にエキスパートを採用していく予定です。

――自動車業界で働く魅力とは?

 自動車業界全体について言えるわけではありませんので、コンチネンタル社の魅力についてお話ししますね(笑)。まず、ダイバーシティを、毎日会社で働いていて感じることができます。ブルーカラー・ホワイトカラー、男性・女性という区分けはしません。お互いにリスペクトするのが、当社の文化の一部になっています。実際、取締役の1つ下のポジションに女性のパートタイマーの方がいる、非常にまれな会社の1つだと思います。

 仕事のパフォーマンスを評価するのは、会社にいるかいないかではなく、例えば在宅でも成果を出していればそれでいいという考え方です。自分の人生がどこのフェーズにあるかによって、働く時間をフレキシブルに選択できるのは必要なことですよね。子育て中の女性がパートで働いたり、在宅勤務をしたり、長期休暇をとって年老いた親を世話するということも下支えする制度を、22か国で実施していて、日本ももちろん含まれています。

コンチネンタル社の社内イベントで講演するラインハルトさん