大手企業の内定を辞退して、新卒で「社員第一号」の道を選んだ鈴木晶子さん。大胆に見える選択の裏には、自身のキャリアに対する冷静かつ戦略的な判断がありました。

新卒で社員第一号に 経験値ゼロでも営業はできる

 知識も経験もない状態で営業することは全然怖くなくて、むしろ面白いと思っています。自分にとって全く未知の領域の人たちが何を考えていて、どう行動しているかということに興味があるからです。

シェルフィー ブランドマネジメント統括 鈴木晶子さん

 私が新卒で入社したのは、店やオフィスをつくりたい人と内装会社のマッチングを行う、スタートアップ企業のシェルフィーという会社。内装会社の方々はいわゆる職人さんなので、訪ねていっても「うるせえ!」みたいに怒鳴られることもしょっちゅうですが、私の人間性を否定されているわけではないのでつらいと思ったことはありません。それよりも、「前に来た営業が嫌な人だったのかな」「忙しかったのかな」と、怒られた理由をあれこれ考えてみたくなります。

 シェルフィーは2014年6月に創業しました。立ち上げのメンバーは、代表と一人目社員である私の二人だけ。お客さんや、後から入社したメンバーには「恋人同士ですか?」とよく聞かれましたが、もちろん違います(笑)。

 創業当時、私の仕事は楽しいけれどなんとも泥臭いものでした。シェルフィーは、顧客と内装会社をマッチングして直接つなげるウェブ上のプラットフォームです。内装会社についての情報から見積もりまでを、ワンストップで入手できる革新的な仕組みを作っています。そのため、まずは登録してくれる優れた内装会社を集めなくてはいけません。業界のことは何も知らなかったので、ひとまずパワーポイントで簡単な資料を作ってアポイントを取り、知ったかぶり9割で営業に行きました。

 「ヒアリングさせてください」と正直に言っても誰も時間をくれませんが、営業という体裁で行くととりあえず取り次いでもらえます。すると、「そんなのやらないよ、だって〇〇だから」と、断られる理由が聞けるんです。例えば、「似たようなサイトに登録したことはあったけれど、ろくな客が来なくて」といったように。逆にサービスを使いたいと言ってくれた人にも、どこがいいと思ったのかを聞くようにしました。

好みの洋服をレンタルできる「エアークローゼット」を愛用。「月火水はエアークローゼット、木金はワンピース。考えないで1週間のワードローブを回せるので楽です」(鈴木さん)