会社員とNPO活動 「二足のわらじ」が上手く回っている

 どさくさ紛れの告白が功を奏したのか、その後、医療や介護、福祉や保育といったテーマを取材する厚生労働省の担当になりました。もちろん、その中にはがん医療の現場もあります。副業禁止の規定も、社会貢献という形で無報酬で携わるなら認めてくれることになりました。

 そうして、記者の仕事とマギーズが両輪で回るようになりました。記者として取材した患者さんに「美穂さんだったら私たちの立場を理解した上で、世の中に発信してくれると思うから」と話しづらい話をしてくれることもあります。マギーズに関わったことで、これまでと違う取材の仕方や信頼関係の築き方ができるようになったのだと思います。この二足のわらじ方式が正しいかは分かりませんが、今はとても上手くいっていると感じています。

 とはいえ、両立は大変と言えば大変です。プロジェクトメンバーもみんな平日は働いていますし、私も今は記者と兼務で会社の社会貢献事業の部署へ配属になり、仕事を切り上げられるのは早くて夜の8時から9時頃です。そのため、マギーズの会議の日だけは出来る限り仕事を早く終わらせ、夜8時頃から終電まで会議をし、あとは週末の時間を使っています。

32歳「今はこれでいい」

 今32歳なのですが、たまに「同い歳の女性たちが友達と遊んだりデートしたり、結婚して家庭や子育てに費やしている時間を、私はすべて仕事とマギーズに使っているなぁ」なんて思うこともあります。でも、今はこれでいいのかなと思っています。自慢の仲間たちとかけがえのない時間を過ごせているし、秋山さんをはじめ、60歳を過ぎても素敵な生き方をしている女性とたくさん出会うことができましたから。

アナログ派を断言する鈴木さん。「予定を記入するのは手帳です。アイデアノートは必ず持ち歩いて、何か浮かんだらすぐに書き留めるようにしているので、これを失くしたらとても困ります」。筆記具はフリクションビズを愛用
アナログ派を断言する鈴木さん。「予定を記入するのは手帳です。アイデアノートは必ず持ち歩いて、何か浮かんだらすぐに書き留めるようにしているので、これを失くしたらとても困ります」。筆記具はフリクションビズを愛用
地方取材も多いため、機内持ち込み用サイズのスーツケースが欠かせない。ちなみに、学生時代は海外を飛び回るバックパッカーだったそう。「いつか世界一周旅行がしたいです!」
地方取材も多いため、機内持ち込み用サイズのスーツケースが欠かせない。ちなみに、学生時代は海外を飛び回るバックパッカーだったそう。「いつか世界一周旅行がしたいです!」