「1人オフィス」が周囲への甘えを減らしてくれた

 4月からは新しい仕事にも取り組み始めました。UZUZでは既卒や理系、第二新卒といったタイプ別に就活情報を提供するサイトが5つほどあって、そうした自社メディアを運営するUZUZ編集部の所属になりました。コンテンツ制作のディレクターとして、キーワードを選定したり、ライターに発注した記事の校正をしたりしています。

 編集部の仕事は知識も経験もないゼロからのスタートだったので、初めのうちは「1人オフィス」で正直何からやったらいいんだろうという状態でした。これでいいのかと自問しながら、上司に聞いたり、ネットで調べたり、本を読んだりして進めていき、今も日々勉強中です。

音楽好きな草野さん。仕事の息抜きに音楽を聴いたり、ライブに行ったりすることは多いそう。「自宅では、フェスTを着て仕事をすることもあります」(草野さん)
音楽好きな草野さん。仕事の息抜きに音楽を聴いたり、ライブに行ったりすることは多いそう。「自宅では、フェスTを着て仕事をすることもあります」(草野さん)

 リモートワーカーになって、仕事への意識や取り組み方は大きく変わりました。以前の私は「これってどうですかね?」というように、何でも丸投げで質問することが多かったんです。それが、「私はこれをこういう風にしようと思っているのですが、合っていますか?」と、相手が「はい」か「いいえ」で答えられるような聞き方を心がけるようになりました

 これまでは無意識のうちに、上司や周りの人に甘えていたんだと思います。常に自信がなくて後ろ向きで、「本当にこれでいいのかな」「私にできるのかな」というようなことを言ってばかりいました。「あまりにもネガティブすぎて、教える気をなくす」と先輩から言われたほどです。

 でも今は、いつでもオフィスとやりとりできる状態とはいえ、みんなそれぞれの仕事を抱えて忙しい中でこちらにばかりそうそう構っていられません。うじうじ考えて立ち止まっていては何も始まらない、とりあえずやってみよう、こちらから積極的に情報発信しようと思うようになりました。迷走していた大学4年生のころから2年間で、我ながらすごい変化です。リモートワーカーという働き方が、私に成長の機会をくれました。

部署の売上を伸ばしたい

 母も内心喜んでくれているようで、親戚に「あの子が帰って来てくれてすごくうれしい」と話しているのを耳にして、やはり実家に戻ってよかったなと思います。UZUZでなければたぶんこういう働き方を提案してくれることもなかっただろうし、感謝しています。

 これからの目標は、UZUZ編集部を大きくしていくことです。今も自社メディアのほかに、他社の記事執筆やウェブコンテンツの制作を請け負ったりしているのですが、そこをもっと増やして、うちの会社の主軸である人材紹介業を追い越すくらいの売り上げを立てられるようにしたいです。以前の私は正直、そこまで仕事に貪欲なタイプではなかったのですが、今はもっと勉強して知識も増やしたい。そうやって仕事を深めていくことに面白さを感じています。

文/谷口絵美 写真/西田優太

草野有砂(くさの・ありさ)

UZUZディレクター。茨城県出身。新卒時に就職活動を行うことなく大学を卒業。就職のために登録したUZUZに縁あって入社。キャリアカウンセラーを経て、会社初の在宅社員に。現在はUZUZ編集部のディレクター業務を担当している。