たった一度の営業同行がキャリアチェンジのきっかけに

 そんなとき、事務も営業の現場を知っておくべきだという方針になり、営業に同行する機会がありました。同僚はみんな嫌がっていましたが、私はそれがものすごく楽しくて。知らない企業を訪問して、自分の話にお客様からレスポンスが返ってくるということが面白かった。

 「これだ!」と思いました。「営業向き」だなんて一度も考えたことがありませんでしたが、思えばアパレルの販売をしていたときも、自分の売上成績を見るのが楽しみだったんです。同行した翌日、上司に「営業になりたい」と希望を伝えていました。

社内の「適性検査」の結果、“営業向き”だという判定が出た宮田さん。それまで自分が営業向きだとは思っていなかったそう
社内の「適性検査」の結果、“営業向き”だという判定が出た宮田さん。それまで自分が営業向きだとは思っていなかったそう

 当時、私は契約社員で、しかも事務から営業への異動は前例がありませんでした。すぐに希望が叶うとは思っていなかったのですが、なぜだかトントン拍子に話が進んで。正社員採用のための試験や面接も受けて、1カ月後には営業に異動が決まりました。

 念願の営業になり、しかも異動してすぐに初受注が決まったので、すっかり有頂天になっていました。ただ、その後が大変で…。電話、訪問、取材、合間に書類作成と、いきなり仕事の幅が広がったので、パンクしてしまったんです。悔し泣きをすることも珍しくはありませんでした。

 ただ、どうしても妥協はしたくなくて。全力で取り組むうちに少しずつお客様から頼りにされるようになって、厳しいリーダーがそっと支えてくれていることにも気づいて…。そうやって少しずつ営業としての自信がついていきました。

文/藪内久美子 写真/品田裕美

宮田緑(みやた・みどり)

エン・ジャパンの営業部にてリーダーを務める。大学卒業後はアパレル業界に就職。「10年後に成長しているか?」と常に問い続け、成長の場を求めてエン・ジャパンに転職。契約社員として事務職で入社した後、営業となり正社員登用される。入社6年目となる現在、チーム4名のリーダーでありながら、自身も営業の第一線で活躍中。

この連載は、毎週公開しています。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページはこちら ⇒ 「わたしとシゴト。」