中学生のときからの夢を叶え、保育士として働いていた雨宮さん。ただ、現場で働くうちに、保育の限界や制限を感じることが多くなってきたといいます。そんなとき、雨宮さんに1つの出会いがありました。


大好きな現場を離れる決心をした

 保育士として忙しい毎日を送っていましたが、あるとき最初に働いていた保育園の同期を通して、後に夫となる男性と出会ったんです。出会いからほどなくして付き合うことになり、24歳で結婚。28歳のときに第一子を出産しました。

 夫はフリーランスのシステムエンジニアです。出会った当初から、よく仕事の話をしていました。「こんな保育がしたい」「多忙な環境をどうにかしたい」「子どもたちの人格形成に関わる大事な時期に、丁寧な保育をしたい」。私のさまざまな思いや話をいつもおもしろがって聞きながら、一緒に考えてくれました。

キッズカラー 代表取締役CEO/保育士 雨宮みなみさん

 忘れもしない、2010年5月5日。いつものように彼と仕事の話をしていました。それまでにも「保育」と「Web」というお互いの強みをいかして何かできないかと考えていたのですが、ふと、子どもの遊びや保育を共有する情報サイト「ほいくる」のアイデアが頭に浮かんだんです。気づいてみると、その日はこどもの日。「これはやるしかない!」と決心しました。よく、「どうして保育士から起業しようと思ったのですか?」と聞かれますが、始めから起業しようと思っていたわけではないんです。保育現場で感じた課題意識から、「こんなのあったらいいな」と思うものを形にすることで何か少しでも変わるかもしれないという、アイデアが先にあって、どういう形で運営していこうかを真剣に考えた後に、起業という選択をしました

 それからは夫婦二人三脚で起業に向けて準備を進め、さまざまな保育イベントなどに出かけては情報収集やヒアリングを行いました。起業と保育士の二足のわらじは、どちらも中途半端になると断念。現場を離れる寂しさはあったのですが、保育園は受け持ちの園児たちとともに卒園しました。