グルメポップコーン専門店「ヒルバレー」でマーケティングを担当する大澤亜希さんは、語学留学を機に、性格もキャリアの選択も大きく変わりました。グルメポップコーン専門店のブランド立ち上げという仕事に出合い、準備に奔走する中でぶつかった壁や、オープン後に味わった喜びについて聞きました。

1号店で施工ミス うまく交渉できず葛藤する日々

 新卒で就職したホテルでは、フレンチレストランのレセプションでお客様対応をしていました。そのころはまだ新人だったこともあり、お客様の希望にどうやって100%応えるかということに集中していればよかったんです。でも、ビジネスをしていく上ではできないことはできないと言わなければいけませんし、どうコストを管理し、利益を出していくかも考えなくてはいけません。

グルメポップコーン専門店「HillValley(ヒルバレー)」でゼネラルマネージャーを務める大澤亜希さん。中目黒本店2階のカフェスペースにて

 ヒルバレーのオープンに向けて準備を進めていたときに、製造工場の施工で間違いがありました。思っていたのとは違う仕上がりで、直すためには追加で何十万というお金が発生する。そのときの私は交渉に慣れておらず、自分にも非があるかもしれないし、相手も損をしないためにどうすればいいかという発想で考えていました。でも、間違いは間違い。発注内容と違うのなら、直してもらうしかないのです。「ただのいい人なんていらないんだよ」とオーナーに言われて、自分らしい生き方と、仕事をしている自分をしっかり分けないといけないと気づきました

仕事のメモはすべてコピー用紙の裏紙を利用。「ノートだと緊張してしまって、自由に書けないんです。いつも裏紙の束を持ち歩いています」
店舗や什器、パッケージなど、何かと採寸する機会が多いそう。小型のメジャーは持ち歩いているのだとか

 とはいえ、すぐに腑に落ちたわけではありません。施工を担当してくれた会社さんには「追加予算は出せません。でも、ちゃんとこの仕上がりにしてください」ときっぱり言いましたが、心の中では「言わされている感」が満載でした

 特に、間違いだった“問題の箇所”というのが、工場内の空調部分を目隠しして色を塗るといった、外部からは見えないところだったんです。ヒルバレーはおしゃれさや見た目にすごくこだわるブランドで、細部まで妥協せずに作っていました。見えないところこそ大事だというこちらの思いと、施工会社さんからしたら理解しがたいだろうなという思いとの間で、葛藤が続きました。