それでは、いよいよ冒頭の問題の答えです。

知っておこう! 遺族基礎年金のしくみ (C) PIXTA
知っておこう! 遺族基礎年金のしくみ (C) PIXTA

 問題は、「もしもあなたが0歳の子どもと夫を残して、亡くなったとした場合、国から総額でいくらのお金が受け取れるか」というものでしたね。

(1)0円の場合

 子どもがいても、夫の年収が850万円以上の場合は、遺族年金はもらえないため、ゼロ円です。

(2)1800万円の場合

 専業主婦(国民年金第3号被保険者)や個人事業主(国民年金第1号被保険者)の女性が亡くなり、年収850万円未満の夫と子ども1人が残された場合、遺族基礎年金年間100万円を18年間受け取れます(子どもが18歳の年度末まで)。その合計金額が1800万円です。

(3)2300万円の場合

 会社員や公務員(国民年金第2号被保険者)の女性が亡くなり、年収850万円未満の夫と子ども1人が残された場合、遺族基礎年金年間100万円に加えて、遺族厚生年金額を受け取ることができます。遺族厚生年金額を年間30万円とすると、年間130万円を子どもが18歳の年度末を迎えるまで18年間受け取れるので、その合計は、約2300万円です。

 このように、子どもがいる女性が亡くなった場合でも、加入している制度や夫の年収、子どもの人数により、受け取る年金額は異なります。

 もしもの不安があると民間の死亡保険に頼りがちになりますが、そんなときこそ、国が準備している遺族年金を思い出してください。私たちはそのために、毎月、あるいはボーナスからも年金保険料を納めているですから。

 次回は、独身そして夫婦2人の女性が亡くなった場合についてお伝えします。

文/前野彩 写真/PIXTA

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