火災保険っていくら入ったらいいの?

 火災保険を検討するポイントは3つです。

【1】保険金額は適正ですか?

 火災保険は、火災保険の保険金額を上限として、実際の損害額が支払われます。

 1000万円の家に2000万円分の保険を掛けていたとしても、1000万円分の保険金しか受け取れないため、多く掛けた保険金部分はムダになります(生命保険の場合は、たくさん保険を掛けていても、掛けた分だけお金を受け取ることができます)。

 また、節約のつもりで1000万円の家に500万円の保険しか掛けない場合は、実際の損害よりも少ない保険金しか出ない場合もあります。

 つまり、火災保険はもう一度同じ家を建てるために必要な金額を、適切に見積もることが大切なのです。

 建物が木造かマンション構造か、家の広さはどれぐらいか、等によって適正な保険金額は変わるため、保険会社に見積もってもらいましょう。

【2】「新価」で加入していますか?

 建物や家財の価値は、時間の経過とともに下がります。これを「時価」といいますが、もしも家が全焼したとしても、時価では古い建物ほど十分な保険金を受け取ることができません。そこで、もう一度同じものを建てたり、買ったりするために必要な金額を保険金で準備することが必要なのです。

 保険証券を見て、「新価」や「再調達価格」、「価額協定保険特約」などの言葉が書いてあるかどうか確認しましょう。最近の契約は新価が基本ですが、例えば「35年間一括で保険に入っています」というような、かなり昔に加入した保険については時価のこともあるので注意しましょう。

【3】長期割引を活用していますか?

 火災保険料は毎月支払うこともできますが、1年分の保険料をまとめて支払うほうがトータルでは安くつきます。10年分を一括で支払う契約にすると、さらに安くなるので、家計も助かります。途中で引っ越しする場合は、残り期間の保険料は返ってくるので安心ですよ。

 もしも火事が起こり、自分が住む家や借りた部屋を元に戻そうと思ったら、数百万円から数千万円のお金が必要になります。そんなときの備えが火災保険ですから、火災保険料を節約したつもりで、もしものときに自分が大きな債務を背負うことがないように、必要な補償と保険金額をしっかりと確認してくださいね。

 次回は、火災保険の火事以外の補償内容についてお伝えします。補償内容によっては、実は、医療保険よりも請求する機会が多いかもれませんから、お楽しみに。

文/前野彩 写真/PIXTA

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