はじめまして。今回から連載を担当します、ファイナンシャル・プランナーの前野彩と申します。

 私は今、ファイナンシャル・プランナーとして年間300件前後の女性の家計相談を受けています。だからこそわかるのですが、私たち女性は「お金のこと」となると、途端に「難しそう!」というモードに頭が切り替わってしまい、深く丁寧に考えることをやめがち、ではないでしょうか。

(C) PIXTA
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 こんな風にエラそうに言っていますが、実は、26歳の私もそうだったんです。

 大学卒業後、学校の保健室の先生をしていた私は、お金に興味はあるものの「お金のことを勉強しよう!」という意欲はゼロ。その上、そんなことは知らなくても、フツーに働いて生きていれば何とかなると思っていたのです。

 でも、現実は違いました。

フツーに生きているだけだけなのにお金で損をするなんて

 例えフツーに働き、生きていても、保険に入る、転職をする、金融商品を買う、住宅を購入する……そういうタイミングがやってきます。私は「お金のことは苦手だから」という自信があったので(苦笑)、きちんとお金に向き合って勉強をしようなんて、考えたこともありませんでした。だからこそ、お金について行動を起こす前には、保険会社の人や銀行、証券会社の人に無料で相談に乗ってもらい、「なるほど~」と素直に受け入れて、「すべてお任せ」プランにしていました。

 でも、知識がないまま、言われるがままにお金の決断をしているうちに、

 「仕事を辞めたのに失業保険がもらえなかった
 「住宅ローンで800万円もムダなお金を払うところだった」
 「保険会社が破たんしなかったら1000万円以上の保険料を支払い続けるところだった」

 ……と、私は1800万円も損をするところだったのです。