2000万円のローンを組んでマンションを買った場合

→ 使えるのは【住宅ローン控除】

 2000万円の住宅ローンを金利1.06%(35年固定金利、2017年5月最多金利)、35年、元利均等返済で借りた場合、初年度の残高は約1968万円です。住宅ローン控除は、年末残高の1%を当初10年間、納めるべき税金から差し引く制度のため、初年度は、計算した最終的な税額から19万6800円を差し引くことができます。

 なお、所得税が住宅ローン控除を差し引いた結果、所得税がゼロになり、差し引くことができない住宅ローン控除額がある場合、住民税から13万6500円を上限に、課税総所得金額の7%までを差し引く特例があります。

 この場合は、
年収350万円の人は、所得税7万500円、住民税9万6700円が安くなり、最終的な納税額は所得税ゼロ円、住民税4万6900円
年収450万円の人は、所得税10万7300円、住民税8万9500円が安くなり、最終的な納税額は所得税ゼロ円、住民税12万600円
年収550万円の人は、所得税17万4100円、住民税2万2700円が安くなり、最終的な納税額は所得税ゼロ円、住民税25万2900円
なります。

住宅ローン控除でどれくらい税金が安くなるか知っていましたか? (C) PIXTA
住宅ローン控除でどれくらい税金が安くなるか知っていましたか? (C) PIXTA

 余談ですが、一定要件を満たしてマイホームを買うと、「すまい給付金」を受け取ることができます。

年収350万円の人は30万円
年収450万円の人は10万円
年収550万円の人はゼロ円
です。

 「すまい給付金」は、納税額が少なく、住宅ローン控除を上限まで差し引くことができなかった人へのサポート制度です。確定申告とは別に期日までに自己申請が必要なので、忘れないようにしましょう。

 次回は、これまで紹介した控除を複数組み合わせて使った場合の税金の軽減額について、詳しく説明します。


文/前野 彩 監修/税理士・備順子 写真/PIXTA