もしものときに親に残しておきたいお金は……
答えは、NOです。
死亡保険が必要な人は、誰かを養っている人というのが基本です。ですから、あなたがシングル女性なら死亡保険は不要ですし、結婚していてもパートナーが自分で働いているなら、やはり死亡保険は不要です。もしもあなたが親御さんを養っていて、あなたが亡くなることで、親御さんが経済的に困るのなら、そのときに初めて死亡保険を検討するぐらいで十分なのです。
なお、お葬式代の平均額は、189万円。
「親よりも先に亡くなるのなら、せめてお葬式代ぐらいは遺したい」と思うのなら、約200万円のお葬式代を全額保険で賄うことよりも、もしものときに親に残せるお金のことを考えてみましょう。
まずは、預貯金。親御さんはあなたが遺した預貯金を受け継ぎます。さらに、健康保険からは埋葬料として5万円がでます。退職金制度がある会社に勤めている人なら、死亡退職金もあるでしょう。そのうえ、あなたが55歳以上の父母を扶養している場合は、親御さんが遺族厚生年金をもらえる可能性もあります。
あなたが元気でいて、自立していくことが親御さんの望みだと思いますから、亡くなったときの死亡保険は最低限に抑えて、あなた自身が充実した人生を送るための貯蓄を増やすことを考えてみてくださいね。
文/前野彩 写真/PIXTA
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