同じ給料でも、貯蓄の差は10年で数百万円にも

 例えば、貯まる人と貯まらない人の違いはこうです。

 貯まる人は「洋服代と化粧品代は削りたくないけれど、自宅は少々駅から遠くても、狭くても、家賃が安ければいい」などお金をかけるところ、削るところのメリハリがあります。

 貯まらない人は、「洋服や化粧品は削れないし、仕事して疲れて帰ってくるんだから、やっぱり駅から近くて新しいほうがいいし」と、幅広い費目に対して、一定のレベルを求めます。すると、同じ給料でも、次のような違いになってくるのです。

貯まる人、貯まらない人の家計、いくら差が出る?(手取り20万円の場合)
(例) 貯まる人 貯まらない人
住居費 6万円 8万円
水道光熱費 1万円 1万円
食費 3万円 4万円
携帯・交通費 0.5万円 1万円
洋服・美容費 4.5万円 4万円
友達との交際費 1万円 2万円
貯蓄 4万円 0万円
合計 20万円 20万円
貯まる人、貯まらない人を想定した支出例を前野さんが作成

 仮に、上の表のような家計の差が10年続いた場合、その差は480万円。30年続くと、1500万円近い差が生まれます。「毎月の貯蓄は0円」という貯まらない人の中には「毎月のお金は全部使うけれど、ボーナスには手を付けない」と考えている人もいるかもしれません。もし、その方法で必要なお金を貯蓄できているのなら、毎月とボーナスのメリハリがあるということなので、これからも続けてくださいね。でも、「分かってはいるんだけど、実際できていない……」という人は、毎月の自動積立から始めましょう。

 お金を貯められる人になるには、「意識」「仕組み」「自分」この3つが欠かせません。もしかしたら私は貯まらない人なのかも……と心当たりがある人は、今日お伝えしたこの3つを意識してみてくださいね。

◆貯蓄は、「既にあるお金」として認識して、これまでの努力と貯蓄額を認めよう

◆先取り貯蓄の手続きで、自動で楽に貯まる仕組みを整えよう

◆何にお金をかけるのか、引き締めるのか支出のメリハリを意識して実践しよう

文/前野彩 写真/PIXTA