前回の記事「老後の『貯金』になるはずだった保険なのに家計を圧迫」は、貯金と保険の違いについてお伝えしましたが、途中で解約したときだけでなく、金融機関が破たんしたときにも違いがあります。

 銀行等が破たんした場合は、1人1金融機関1000万円とその利息までは全額保証されます。でも、保険会社が破たんした場合に補償されるのは、責任準備金の9割までです。といっても、「責任準備金」という言葉は聞き慣れないですよね。

 実は、私がこの言葉を知ったのは、保険会社の破たんを実際に経験した、そのときだったのです。

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もしもの「破たん」は突然やってきた

 「結婚したら保険を見直しなさい」ということは親に言われていたのですが、ファイナンシャル・プランナーではなかったその頃の私は、「男の人だったら、月1万円ぐらいの保険料ってフツーなのかな」と思って、放置していました。

 そして、結婚から半年たったある日の夕飯時。テレビを見ていたら「〇〇生命保険会社破たん」とのニュースが! なんと、パートナーが加入していた保険会社が破たんしたのです。

 もしものときために保険に入っているのに、保険会社が破たんしたらその契約がどうなるかなんて、誰も教えてくれません。翌朝、なかなかつながらない保険会社に電話をして説明を受けても、その内容が全く理解できず、保険のことを考えることそのものがイヤになった気持ちは今でも忘れられません。

 そのときの説明は、まったく耳に入ってこなかったのですが、ファイナンシャル・プランナーになった今なら、次のようなことを説明してくれていたんだろうな~と想像しています。ただ、当時はとにかくいくら聞いてもわからない説明に疲れてしまい、受話器をおろすだけでした。

「保険会社が破たんしても、保障がゼロになることはありません。破たんした保険会社の契約は、別の保険会社等がその契約を受け継いでくれるし、法律で“責任準備金”の9割までは保護されると決まっています。責任準備金とは、保険会社が将来の支払いのために積み立てているお金のことで、法律でちゃんと最低限の部分は保護してくれるのです。ただし、一度破たんした保険会社なので、今までと全く同じというわけにはいかない契約があります。それが、終身保険や個人年金保険、養老保険などの貯蓄性がある保険です。そのため、保険の種類によっては、破たんの前後で保険料が変わらなくても、将来もらえる保険金が減ってしまうものがあるのです」