破たんすると、保障内容も変わることがある

 そしてまたもや放置したまま時間が過ぎ、破たんした会社を引き継いだ保険会社からお知らせが届きました。中身を確認すると、“責任準備金”がカットされたため、保障内容は次の図のように一部減額されていたのです。

<主な保障>
<主な保障>

 なんと、死亡したときに必ずもらえる終身保険の金額は、4分の3まで減ったのです。結果として、わが家は「死亡保険は必要ない」と解約することにしました。保険会社の破たんから1年たたずに解約したので、本来の解約返戻金も15%カットされました。

 保険会社も世の中にたくさんある会社の中のひとつです。そのため、破たんする可能性もゼロではありません。だからこそ、「保険は入っておけばなんとなく安心」ではなく、「必要最低限の保険に入る」ことと、保険に加入した後も、「保険会社の体力」について関心を持つことが必要なのです。

 保険会社の体力は、「格付け」や「ソルベンシー・マージン比率」によって確認することができます。

 「格付け」とは、S&P(スタンダードアンドプアーズ)やR&I(格付投資情報センター)などの格付け会社が、独自の基準で保険会社をランク付けしたものです。会社によって評価の表し方が異なりますが、多くはAAAが最も信用があり、AAA → AA → A → BBB → BBというように評価が下がっていきます。同じ保険会社であっても、評価する格付け会社によって評価が異なったり、評価する時期によって格付けが変わりますので最新情報を確認しましょう。

(C)PIXTA
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 ソルベンシー・マージン比率は、初めて聞く言葉の方が多いと思いますが、大地震などの通常の想定を超えた災害が起こり、保険会社が保険金の支払いに追われたときに、それぐらい支払の余力があるかを表した数字です。200%以上あれば健全ということですが、過去に破たんした保険会社はいずれも決算発表時には200%以上だったので、一般的には高い保険会社のほうが安心力があるというように考えます。

 保険会社のホームページには、格付けもソルベンシー・マージン比率も公表されています。長期間保険に加入する際には、自分で、または担当者に確認してみてくださいね。保険会社を「選ぶ」ことも、あなたの安心にとても必要なことですから。

文/前野彩 写真/PIXTA

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