がん保険には3カ月の待ち期間あり

 実は、がん保険に加入して1週間しかたっていない場合、診断給付金はもらえません。

 がん保険には、3カ月(または90日)の待ち期間が設定されています。

 つまり、保険の申込書と健康状態の告知書を書いて、保険料も支払って、がん保険の加入ができたとしても、実際の保障は、加入から3カ月たたないとスタートしないのです。

 よく「本人ががんになっていることを知らなくても、ダメなのですか?」と聞かれますが、保険契約上、本人が知っていたか、知らなかったかは関係ありません。加入から3カ月以内に見つかったがんは、加入したときにはすでに体の中にがんがあったということで、保険給付上の区切りをつけているのです。

 「それはおかしい! だって、保険料を払っているんだから、加入して1週間でも診断給付金を出すべきでしょ!」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 でも、もしもそんな商品があれば、私なら、「検査の前日、あるいは、検査結果が出る前日までに加入して、もしものときには、1カ月分の保険料で診断給付金の100万円はしっかりと受け取るようにしておこう」と(ずる賢く?)考えます。

 こんな状況がOKであれば、がんと診断される可能性が高い人ばかりが、がん保険に加入することになります。すると、保険会社が契約者に支払う保険金は膨大な金額になり、その結果、私たちががん保険に支払う金額も相当高い金額になってしまうのです。

 保険は、保険金を受け取る可能性が高いほど、支払う保険料も高くなる仕組みです。

 つまり、がん保険に加入して1週間後にがんと診断されても診断給付金を受け取ることができる保険では、かえって、私たちが手軽な保険料で加入できないような保険料になる可能性があるのです。

がん保険加に入して3カ月以内にがんが見つかると保障はどうなるの? (C) PIXTA
がん保険加に入して3カ月以内にがんが見つかると保障はどうなるの? (C) PIXTA

 そこで、加入から3カ月というのを一区切りにして、その間に見つかったがんは保障しないルールになっているのです(加入から3カ月経過後にがんと診断された場合はちゃんと診断給付金を受け取ることができます)。