(2)冬のボーナスまでに、まとまったお金が必要な支出がある……

 例えば、こんな支出はありませんか?

・夏休みやシルバーウイーク等の旅行代
・帰省費用
・保険料の半年払いや年払い
・火災保険や地震保険、自動車保険の更新
・スキルアップのための資格学校や受験費用
・エステや脱毛などの自分磨きの費用
・電化製品などの買い替え
・お歳暮などの交際費
・ハロウィーンなどのイベント費用

 これらの支出は、一つ一つは少ないように思っていても、全部をまとめると、意外と費用がかさむもの。

 例えば、旅行代が10万円、帰省費用が3万円、医療保険の年払い保険料が3万円、個人年金保険料の年払いが12万円、火災保険の更新が2万円……という状況だとすると、全部で30万円です。

 従業員数30人規模のボーナス平均額は約31万円。仮にあなたのボーナスが31万円だった場合は、夏のボーナスを予定していた項目で使い切ってしまうことになります。

やばい、やばい、やばい! 使い過ぎちゃった! (C) PIXTA
やばい、やばい、やばい! 使い過ぎちゃった! (C) PIXTA

 もし、この上、「ボーナス一括払いでエステの10万円の契約をしていた!」となると、夏のボーナスではお金が足りません。足りないからといって、夏の買い物を冬のボーナス一括払いにすると、今度は冬のボーナスで使うお金がなくなってしまい、自転車操業の悪循環になってしまいます。

 ボーナスが入ったら、何に使うのかを整理してみてくださいね。

 なお、「ボーナスがもっとあったらちゃんと貯まるのに」というセリフをよく聞きますが、家計相談の傾向として、「もっとお金があったら貯める」という方は、「宝くじが当たったら何を買おうか」と妄想しているのと同じ状態です。つまり、夢見ているだけなので、将来、本当にボーナスが増えたとしても、そのときは「今回はボーナスがいっぱい出たから」と、その分気が大きくなって使ってしまう可能性も高いのです。

 増えることを夢見るよりも、今できることから始めましょう!

 ボーナスが多くても、既に使ってしまったお金の穴埋めや、使う予定のお金でボーナスが足りないという状況では、冬のボーナスもすぐに消えてしまうことが予想されます。

 必要なお金がちゃんと貯まっている人は、ボーナスの金額の多い・少ないではなく、お金の使い方が上手です。ボーナスが平均よりも少なかったとしても、その金額と目的に見合った使い方ができれば良し! なのです。

 この機会に、下半期の予定とともに、夏のボーナスの使い道を考えてみてくださいね。それが、冬のボーナスの上手な使い方にもつながりますよ。

文/前野 彩 写真/PIXTA