前回の記事「『分かったフリ』してない? 円高・円安ってこういうこと」では、今さら聞けないけど知っておきたい円高・円安の基本的なポイントを紹介しました。
今回は、この円高・円安の為替によって、海外旅行や日常のショッピングで得をするのか損をするのかについてお話していきましょう。
では、早速問題です。
答えは、円高ドル安です。円の価値が高くなる円高ドル安になると、海外旅行をするときには、お得なことがたくさんあるのです。
例えば、円をドルに交換するときの為替レート(TTS)が1ドル100円としましょう。そのときに、手元にある1万円をドルに換えるとします。すると、1万円÷100円の為替レート=100ドルとなり、1万円は100ドルに変わりました。
でも、昨年の1ドル約125円のときなら、1万円÷125円の為替レート=80ドルにしかなりません。
日本円では同じ1万円なのに、ドルに換えたときの手元に残る金額は、1ドル100円で交換したときのほうが多く、円高ドル安の方が海外で使えるお金は増えるのです。
また、あなたが現地で買いたいバッグが1000ドルだったとしましょう。
1ドル約100円なら、1000ドル×100円=10万円で買えますが、昨年の1ドル約125円なら、1000ドル×125円=12万5000円となるため、2万5000円多く払わないとそのバッグは買えません。
「どちらがお得ですか?」 とお聞きするまでもなく、日本円での支払いが少ないのは、1ドル100円のときですよね。
このように、私たちが海外旅行に行くときは、円の価値が高くなっている「円高ドル安」のときがオトクなのです。
また、円高がオトクになるのは海外旅行だけではありません。わたしたちが運用を考える際に、為替を味方につけることができれば、円とドルの交換だけでお金を増やすことも可能です。