介護についての希望も確認する

 介護はいつ必要になるか分かりません。病名告知や余命宣告も突然に起こります。

 そのときに慌てず、後悔しないためにも、「元気なときだからこそ」もしものときの希望を聞いておきましょう。デリケートなことですから、やはり、紙に書いてもらっておいたほうがよいでしょう。

 子どもには面と向かって言いにくかったことや強がりで言っていたことも、紙なら落ち着いて、本当の思いを書いてくれる可能性がありますし、子どものほうも「お父さん、普段は強がりで言ったけれど、本当はどうしてほしかったんだろう」と、答えのない疑問を持つことがなくなります。

 具体的に書いてもらう内容は次の通りです。

<親に確認しておきたい【介護】について>

・入院時に連絡をしてほしい人とその連絡先
・介護が必要になったときに、誰に介護をしてほしいか(家族介護、施設介護、など)

お金について、親と話すこと

 お金の話となると、「親の懐具合を探っているんじゃないかと思われたら嫌だ」とか「親がお金の話をしたがらない」など、いろんな感情が湧く人が少なくありません。

 でも、何も準備をしていないと、親の思いを十分に受け継ぐことができません。実際、親子や夫婦で早い段階から亡くなった後の話をする人は、その人自身が親や親類の相続で大変な思いをした人が多いように感じます。親の思いを大事にするためにも、「お金でもめたくないから、元気なうちに確認する」ことが大事です。

「もめたくないから」と教えてもらいましょう (C) PIXTA
「もめたくないから」と教えてもらいましょう (C) PIXTA

 どんな金融機関に、いくらのお金があり、どこに、いくらの不動産を持っているのか、など、正確な情報が欲しい内容です。

 その理由は、親が持っている資産総額によっては、相続税を納める必要が出てくるため、相続税対策が必要になることがあるから。

 とはいえ、親が具体的な金額まで教えてくれない場合や、金額までは子どもからどうしても聞きにくいというケースもあるでしょう。そんなときは、少なくとも、口座のある金融機関や保険会社名、土地の場所や数だけでも確認しておきましょう。また、この機会に、普段使っていない口座を解約するなど、金融機関の整理も一緒にするとよいですね。

<親に確認しておきたい【お金】について>

・親一人ひとりの金融資産(預貯金や株式など)
・親一人ひとりの加入保険
・親一人ひとりの不動産など、上記以外の財産
・親一人ひとりのローンなどの借り入れ状況