水災の保険ってどんなときに出るの?

 火災保険の水災補償は、「床上浸水」「地盤面から45センチ以上の浸水」「もう一度同じものを買うために必要な金額の30%以上の損害」が発生した場合に、保険金を請求することができます(保険会社や共済によって、細かな定義は異なることがあります)。

 水災と聞くと、洪水は想像しやすいと思いますが、実は、大量の雨が原因となって発生する土砂崩れも水災補償の対象です。それが、先ほどの「もう一度同じものを買うために必要な金額の30%以上の損害」の場合です。床上浸水もなく、地盤から45センチ以上の浸水がない場合でも、「水災」で補償されるように定義付けされているのです。

 最近は、都市部の水災ともいえる「ゲリラ豪雨」が増えてきました。短時間に大量の雨が降り、下水の処理が追い付かずにマンホールの蓋から水が逆流する経験をした人やニュースを見た人もいらっしゃることでしょう。こんな場合も、建物や家財に被害があれば、火災保険が補償してくれるのです。

被害分の保険金がそのまま出るの?

 水災により受け取ることができる保険金の金額は、被害とその補償の内容によります。

 損害額に応じて保険金額の上限まで保険金が出るものもあれば、古い保険契約などでは最大でも7割となっているもの、また、一定金額が決まっているものもあります。内容を確認するとともに、もしものときを想像した上で、納得できる保険料と補償のバランスを見て、検討することが重要です。

 保険証券や約款(やっかん)の表現は、私たちが普段使う言葉とは違った言い回しが多いのが事実。分かりにくい場合は、遠慮せず保険会社や共済などに電話して確認しましょう。

台風シーズン前に要チェック! 「風災」の場合は?

 さて、ここまで水災についてお伝えしましたが、台風シーズンでは、雨と風の両方の被害の可能性を考える必要があります。雨は水災でカバーしますが、風による被害は「風災」で補償します。

 例えば、「風で瓦屋根が剝がれ落ちた(建物の補償)」、「強風でどこかから飛んできたものが家に当たって窓ガラスが割れた(建物の補償)」、あるいは、「飛んできたもので窓ガラスが割れ、入ってきた雨にぬれてテレビが壊れた(建物と家財の補償)」という損害も火災保険の補償です。

強風で窓ガラスが割れた…なんてときも火災保険で補償されます (C)PIXTA

保険証券がなくても請求できるの?

 保険金の請求は、加入している保険会社や共済に連絡をします。ただし、大規模災害で災害救助法適用地域に指定され、保険証券がなくなり、どこに加入しているかも分からないようなときは、「自然災害等損保契約照会センター」に連絡して調べてもらうことができます。保険証券がないからといって、諦めないでくださいね。

 火災保険の必要性を感じるのは、災害に遭ったとき。だからこそ、自分に必要な補償を確認して、保険の内容を見直しておきましょう。それが、もしものときの復興と安心につながります。

文/前野彩 写真/PIXTA

◆関連リンク
内閣府「水害に対する備えに関する世論調査」(PDF)
国土交通省ハザードマップポータルサイト