9月、10月は、連休も多いことから、海外旅行を計画している方もいるのではないでしょうか。海外旅行に欠かせないものが、海外旅行保険です。例えば、ハワイ(ホノルル)で盲腸になった場合、約300万円の医療費がかかります(ジェイアイ傷害火災保険調べ)。海外旅行保険の保険料を節約したつもりが、後に数百万円の支出になってしまうと、泣くに泣けません。事前に海外旅行保険について理解して、賢く備えておきましょう。

海外では日本の保険は使えないの?

 海外の病院で受診した際、現地では医療費を全額支払いますが、帰国後に、加入している健康保険に「海外療養費」の申請をすると、健康保険から還付を受けることができます。

 しかし、全額が返金されるというわけではありません。

 例えば、日本では盲腸になったときの医療費が60万円だとすると、私たちの自己負担は3割の18万円で済みます。さらに、その自己負担を少なくする高額療養費制度もあるので、標準報酬月額が28万~50万円であれば、最終的な医療費の自己負担額は約8万円まで下がります(所得によって負担額は変わります)。

 一方、同じ盲腸になったときの海外の医療費が300万円するとしたら、日本の医療費である60万円を超えた240万円分は全額個人負担です。そのため、健康保険の「海外療養費」制度を使っても、約248万円(240万に前述の高額療養費制度を利用した際の約8万円が加わります)の自己負担が発生してしまうのです。

 こんなことにならないためにも、海外旅行保険が必要なのですね。

もしも、海外旅行中にケガをしてしまったら… (C)PIXTA
もしも、海外旅行中にケガをしてしまったら… (C)PIXTA

海外旅行保険は、事前に加入しよう

 海外旅行保険は、空港で手軽に手続きすることができますが、前日までに加入することをおすすめしています。その理由は、空港加入では、家を出てから空港に到着するまでの間にケガをしても、海外旅行保険から給付金を受け取ることができないから。海外旅行保険は、自宅を出てから海外旅行を経て、自宅に戻るまでを補償してくれるので、出発前の加入がカギなのです。

海外旅行保険は、クレジットカードを確認

 クレジットカードによっては、海外旅行保険が付いているものもあります。しかし、クレジットカード付帯の保険には、2種類あることをご存じですか?

(1)持っているだけで使えるタイプ

 このタイプは、クレジットカードを保有しているだけで、もしものときに海外旅行保険を使うことができる種類です。

(2)旅行代金をクレジットカードで支払うことで使えるタイプ

 このタイプは、旅行代金をそのクレジットカードで支払えば適用されるタイプです。旅行日に自宅を出て電車に乗る際の切符を窓口でクレジットカード払いにするなど、とにかく、旅行にかかる交通費等をクレジットカードで使っていなければ海外旅行保険が使えません。

 自分が持っているクレジットカードに海外旅行保険が付いているかどうかだけでなく、その条件をクレジットカード会社のサイトなどで確認しましょう。