収入や必要経費はどう管理する?

 重要なことは、収入と必要経費を記録すること。以下が、そのポイントです。

<収入の管理>
●いつ、何が、いくつ売れたのかをノートか、エクセルなどの表計算ソフト、クラウドサービスなどを使って、記録する。
●ハンドメイド販売用の通帳口座を作り、売上代金は必ずこの口座に入金する流れを作ると管理しやすい。必要経費もここから出金するとさらに管理がラクに。

<必要経費の管理>
●材料の仕入から売上までにかかった材料費や荷作り送料などの経費の領収書やレシートを保管する。
●レシートに買ったものの内容や目的等を書き込んでおく。
●領収書の無いもの(電車・バスの交通費や、領収書をもらい忘れたもの等)は、(1)いつ、(2)どこに、(3)何の目的で、(4)いくら支払ったかをメモ用紙などに書いておく。

こんなものも必要経費に

 必要経費になるものは意外と多くあります。「ひょっとしたら経費かも……」と思ったときは、領収書等を保管しておきましょう。例えば、次のようなものも経費になるのです。

・製作のための道具・工具

・ネットショッブで差し引かれる販売手数料や振込手数料

・材料仕入のために車を使った場合のガソリン代や高速料

・ハンドメイド製作の参考書籍

・競合になるショップの作品を研究するための作品購入費など

所得を得るためにかかった「必要経費」となるものは、意外と多いんです (C)PIXTA
所得を得るためにかかった「必要経費」となるものは、意外と多いんです (C)PIXTA

 なお、「業者から材料を提供され、指示どおりに作品を作って納品する」ような、いわゆる内職の場合は、「家内労働者等の必要経費の特例」が使えます。この特例は、実際の必要経費が65万円未満であっても、収入から最大65万円まで差し引くことができる制度です。ただし、この特例は、給与収入が65万円以上ある人は受けられません(給与収入が65万円以下の人は調整があります)。

所得が20万円以下なら、確定申告はしなくていいの?

 1年間分の収入から経費を差し引いた金額が、20万円を超えない場合は、確定申告する必要はありません。ただし、これは所得税の話。実は、住民税は所得が20万円以下でも申告をしなければなりません。住民税の申告はとても簡単で、市役所から申告用紙をもらって雑所得の欄に収入と経費を書き込めば、住民税の税額は市役所が計算してくれます。

 また、後々、税務署から確認があったときなどに、過去の収入や経費の資料が何もないと説明することが難しくなるため、収入金額が分かるものや領収書などは、念のため5年程度保管しておきましょう。