将来の老齢基礎年金がどれだけ増えるか目安を知る方法

<図表2 ねんきん定期便の赤枠部分の拡大図>
<図表2 ねんきん定期便の赤枠部分の拡大図>

 「ねんきん定期便」に載っている金額は、いわば「過去の実績」からの算出なので、これからもらえるであろう年金額は載っていません(50代になると、見込年金額が載った「ねんきん定期便」が届きます)。

 そこで、次の簡易計算式を使って、これから増える年金額を計算しましょう。

これが、カンタン計算式

老齢基礎年金の将来増加額の目安(年額)=約2万円×(60歳-今の年齢)

 例えば、今30歳だとすると、「約2万円×(60歳―30歳)=60万円」となり、この60万円がこれから、老齢基礎年金として増える年金額(年額)の目安になるのです。

 この計算ならカンタンに老後にもらえる年金額の目安が分かりますね。

正確な老齢基礎年金の計算式

 実は年金の計算というのは複雑で、本来は下記のような計算式に当てはめて計算します。

 77万9300円というのは、40年間(480月)国民年金保険料を納めた人が受け取る満額年金(2017年度)ですが、年金保険料を納めていない期間があると減額されるため、未納や免除の種類によって、将来もらえる年金額の計算が変わります。

 でも、上の式で計算するのはとても大変ですよね……。そこで、現在の年齢から60歳までは保険料を納めることを前提にしつつ、40年納めた人の老齢基礎年金額が約78万円なのなら、それを40年で割って1年当たりの支給額が約2万円という目安を活用したのが、先ほどのカンタン計算式(下)です。

老齢基礎年金の将来増加額の目安(年額)=約2万円×(60歳-今の年齢)

 今回は、予測される年金額と老齢基礎年金の将来の増額金額を押さえておくことがポイントです。次回は、老齢厚生年金が将来どれくらい増加するのか、目安を計算する方法についてお伝えしますから、お楽しみに。

文/前野 彩 写真/PIXTA

【参考】
「ねんきんネット」