税額控除を使った場合

 計算式に当てはめると
【(寄付金額-2000円)×40%】
(1万円-2000円)×40%=3200円
となります。

 「税額控除」の場合は、本来納める所得税から3200円をそのまま差し引くことができます。つまり、最終的にAさんは3200円の所得税が安くなるのです(ただし、所得税額の25%が限度)。

 先ほど(1)の「所得控除」を使った場合は400円しか安くならなかったので、一目瞭然。(2)の税額控除を使ったほうがお得ですね。

 なお、都道府県・市区町村や住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対する寄付金、住所地の都道府県・市区町村が条例で指定した寄付をした場合は、所得税だけでなく、住民税も安くなります。どれだけ住民税が安くなるかというと次の計算式で分かります。(住民税は通常「税額控除」を使う)

住民税が安くなる場合

(3)住民税が安くなる場合の控除額の計算式
 (寄付金額-2000円)×10%
(※寄付金限度額は総所得の30%)

 1万円の寄付をしたAさんが住んでいる都道府県と市区町村がいずれも条例で日本ユニセフ協会への寄付を寄付金控除として指定している場合、この計算式を当てはめると
 (1万円-2000円)×10%=800円
となり、住民税は800円安くなります。

 つまり、所得税の寄付金控除で「税額控除」を使ったAさんは、所得税で3200円、住民税で800円、合計4000円分の税金が安くなります。

 1万円を寄付して社会に貢献しながら、4000円分の税金が安くなるのなら、また来年も寄付しよう! というモチベーションにつながり、寄付の輪がつながっていきそうですね(この寄付金控除を使うには、必ず確定申告の第二表の「住民税に関する事項」に記載することが必要です)。