みなさま、こんにちは。実は4月から、化粧品会社の社外取締役に就任しました。ここでは、研究内容を活かした商品開発のアドバイスや、経営陣の方々に言いたいことを言う(笑)という役割を担っています。これまで行ってきた働く女性経済環境研究が一つ形になりそうな予感です。こうした経緯から、美しさとは何か? を考える機会が増えました。今回は、美しさにまつわる、興味深い経済学分野の研究を紹介していきます。

美しさとは、一貫したものなのか

 なぜ、私たちは美しくありたいと考えるのでしょうか。それは、美貌が珍しく希少なものだからです。その希少性によってビジネス、プライベート、あらゆる場面で、何かしらうれしいことが起きると期待できるからです。経済学とは、この希少性がどんな作用を起こしうるかを分析する学問。経済学の手法を用い、美貌効果を研究しているといえば、テキサス大学で教鞭も取るダニエル・S・ハマーメッシュ博士の研究が有名です。

 でも、違和感を抱く人も少なくないかもしれません。だって、美しいって主観に依存するところが多い。あの人にとっては「キレイなヒト!」でも、この人にとっては……なんてことも少なくないはず。美しさに一貫性はあるかを調査するには、二つの方法があります。

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 一つは、同じ人が同じ他人を評価しても、違う場面のその他人を見たら評価が変わるかです。場面や写真によって、人にはいろんな表情があります。1977年から1981年にかけて、カナダでこれに近い大規模調査が行われました。なんと、評価される側の評価は、調査年度によって大きな変化はなく、驚くほど同じだったのです。

 もう一つは、とにかくたくさんの人たちにその人に対して美醜の評価をしてもらう方法です。ただし、誰かが下した評価に影響されないように、他の人とは独立して評価してもらいます。ダニエル博士は、生徒を使ってこの実験をしました。独立して評価をしているにも関わらず、それぞれが下した評価に大きな違いはなかったといいます。もちろん、欧米圏やアジア圏といった国や文化圏で美醜の判断軸は違うかもしれません。ただ、それぞれで一貫した美しさというのは存在していても不思議ではないようです。