私も含めて、多くの女性は「運」を意識することは多いのではないでしょうか? 最近のパワースポットブームや占いブームを見ても、その動きが見て取れるかと思います。今回は、「運」の中でも「仕事運」を上げるためのヒントを、科学の世界、特に統計学の視点から考えた研究からご紹介していきます。

 仕事運といっても、人によって様々な定義があるでしょう。

(C)PIXTA
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 例えば、自分がどうアクションをすることで、給料の源泉である勤め先の企業業績が改善するのか、どうしたら自分が参画しているプロジェクトが早く終わるのか…。これらは、経済学の中の統計的手法を用いれば、何かしらの分析結果は出せるでしょう。ただ、それらの分析に使うための細かいデータを含んだビッグデータ取得は非常に難しいものです。

100万個のデータから読み解く仕事運がいい人とは?

 先日、ビックデータを活用した文献に出会いました。日立製作所中央研究所の主管研究長を務める矢野和男氏の著書『データの見えざる手』(草想社)です。著者の矢野さんは、ビックデータブームが来る10年以上前から、こうしたデータ分析をされている方です。彼は、自分を含める関係者に、ウエラブルセンサーを付けてもらいました。最近では、アップルウォッチや、ブレスレット型の歩数・脈拍等を測るツールがたくさんありますが、それに類似するようなセンサーを関係者に着けてもらったのです。

 そして、そこから得られた100万個のデータを基に、仕事運がいい人の特徴を実証しました。

 ここでいう仕事運がいい人というのは、仕事の遅延が少ない人や問題解決能力に長けている人を指しています。要するに「仕事ができる」とされる人を分析したのですね。

 では、どんな人が仕事運がよかったのでしょうか?