人はどんなときに浮気をするのか

 場合によっては、相手を泣かせるだけでは済まないかもしれない。既婚者が浮気をすれば不倫となり、結婚相手に訴えられ、金銭的リスクを背負う可能性もあります。つまり、そんなリスクを超えるほどのメリットがないと、浮気はできないというわけです。そこで彼女は、以下のような場合に浮気をすると定義しました。

浮気という裏切りから得られるメリット > 浮気がばれる確率 × 浮気がばれたときのコスト

 マリナ・アドシェイド先生の定義に基づき、仮に浮気によって得られる刺激の金銭的価値を100万円とします。そして浮気がばれる確率を、例えば3回に1回、つまり3分の1にします。さらに、浮気がばれてその度に妻に請求される金額を100万円としましょう。すると、100万円 > 3分の1×100万円 となります。この場合は、浮気をすることのメリットが大きくなり、浮気に走りやすいと定義しているのです。

 逆に、浮気がばれる確率とばれたときのコストが同額で、浮気によって得られる刺激の金銭的価値が5万円だった場合は、コストのほうが高くなってしまいます。「浮気をしたらこんなに怖いことが待ってるよ~」とプレッシャーを与えるために、このようなコストを常に意識させておくことは有効なのかもしれません。

浮気をしがちなのは〇〇がある人 女性も同じ

 そして、マリナ・アドシェイド先生は浮気しがちな人の研究結果も紹介しています。

 オランダの研究グループが、管理職や経営者を対象に、浮気経験、浮気の意思、浮気相手を得られる自信などを調査しました。

 なんと、回答者の26%は少なくとも1度の浮気経験があったのです。つまり、約3人に1人は…ということですね。そして、「権力」がある人ほど、浮気をする傾向が見られました。大きな権力を持つ人ほど不倫率が高く、出世すればするほど、「いずれまた浮気をする」と回答する率も高かったのです。

浮気をしがちなのは〇〇がある人で女性も同じ傾向に
浮気をしがちなのは〇〇がある人で女性も同じ傾向に

 もう一つ驚きなのは、これは男性だけなく女性にも見られた傾向だったこと。地位が高い人ほど浮気しやすく、相手を見つける自信もあるという傾向が見られました。

 女性経営者や管理職が増えつつある世の中なだけに、ちょっと考えさせられる傾向ですよね。浮気をしないような理想のパートナーを見つけるためには、ひとまず、権力志向の男性や威圧的な人は避けたほうが無難です。

文/崔真淑 写真/PIXTA

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