「鏡の動作」「鼻を見る」で緊張をほぐして会話を盛り上げる

 続いて、中級編。二人きりでも複数でも、食事をする機会があったとして、そこで確実に好印象を残せるコツをお伝えしましょう。

 これから仲良くなりたいという人には、できるだけ早く相手の警戒心を解くのがポイントです。そのために、心理学でも実証された「ミラーリング効果」と呼ばれる方法があります。

 相手がグラスの水を飲んだら自分も飲む、口に手を当てたら自分も手を当てる、驚いたら驚くというように、相手の動作やしぐさをまねするんです。自分と同じ動作や表情をしている人には、自然と好感を抱く傾向があるといわれています。鏡に映っている自分を見ているかのように、安心するのですね。

 「ミラーリング効果」を利用することで、自然と二人のリズムが合ってきます。どんどん緊張もほぐれて話がしやすくなるはず。すると相手も、「この人と初めて会った気がしない」「何かすごく相性がいいんじゃないか」と思い始めます。

 このとき、会話の最中に相手の目をじっと見つめるのは、実はNG。緊張感を抱かせてしまいます。

 ではどこを見るといいのか。「鼻」です。少し視線は下がりますが、相手は「自分をちゃんと見てもらえている」という安心感を覚えます。同時に、相手をとても柔らかい印象に捉えられるのだとか。どんなに人見知りの男性でも、自然な会話ができるのだそうです。

今、目ではなく、鼻を見ています (C)PIXTA
今、目ではなく、鼻を見ています (C)PIXTA

 男性が自然体で話せるシチュエーションを、意図的に作り出すということですね。聞き上手な人には、「また会いたいな」と思うもの。「自分の話を聞いてもらえている」と男性が実感すれば、好印象を残せるというわけです。

 そこで気を付けたいのが、知らないうちに相手の話を止めてしまう言葉です。

「不用意な相づちワード」が相手の話にブレーキをかけている

 聞き役に徹しているつもりでも、不用意な言葉によって相手の話にブレーキをかける場合があります。そんなNGワードの代表は、次の二つ。

【NGワード】
◆でも
◆なるほど

 「でも」は本来、相手の言っていることを覆すときの接続詞ですが、単なる相づちとして「でも」を使っている場合が意外と多いんです。

 黙って話を聞いていて「どうしても自分も言いたい!」という思いに駆られたとき、「そうなんだ、すごいね! でもね、私はね……」なんて言っていませんか?

 言っているほうは相づちのつもりでも、「でも」は反意を含む言葉ですから、相手は一瞬、否定されたような印象を受けます。せっかく気分よく話していたのに、それまでの自分をすべて拒否されたような気分になり、流れが途絶えて、会話は弾まなくなってしまいます。

 同じことは「いや」にも言えます。「いや」は「NO」の意味ですが、「でも」と同じようについ相づちで入れている人は少なくありません。「いや、そうですよね」「いや、その通り!」など否定しておきながら肯定しているので、活字にするとおかしいのですが、会話だとなぜかこんなふうに言ってしまうんです。

 「なるほど」も、口にする人は多いのではないでしょうか。なるほどがNGである理由は、「なるほど、分かりました」といったニュアンスになり、転じて「以上。あなたの話はもういいです」と暗に伝えることになってしまうからです。「なるほど」を口癖で言ってしまっている人は、意識的に控えてみてください。

 似たようなワードでは「勉強になりました」も同じ。会話を終わらせてしまう言葉で、相手はそれ以上話しづらくなってしまいます。しかも、自分も身に覚えがありますが、「なるほど!」「勉強になりました」と言うときに限って、大して納得していない(笑)。結局は、その場しのぎで言っているということが伝わってしまうんです。