これならできるという「自分ルール」を一つ作る

 ずんの飯尾和樹さんは、「変なことを言おう」とある時決めたそうです。とぼけた一言に独自の世界観がある面白い飯尾さんですが、そもそも憧れていたのは、自らが中心になってその場を潤滑に回せるMCができる芸人だったそうです。

 ところが、自分は向いていないと思い至った。と同時に、MCという役回りは無理だが、自分が何をしようがスベろうがすべて拾ってくれるのがMCの人たちだと気付きました。

 自分から働きかけたり話に入ったりすることはできないけれど、「おい、飯尾どうや?」と話を振られたら「変なことを言おう」と始めたそうです。

 すると面白がられた。「アイツ訳分かんないけど、予想外のことをするから話を振りたくなる」という気持ちにさせられたわけですね。それが飯尾さんのキャラになり、広がっていきました。

 女優としてもタレントとしても活躍されている、足立梨花さん。はじけるような元気な笑顔が印象的な彼女ですが、「話に入っていけない」「話を振られても自分は面白いことがなかなか言えない……」などと悩んでいたこともあったそうです。

 そこで彼女が決めたのは、「スタジオ内で一番笑おう」でした。何もできないかもしれないけれど、出演者の中で一番この場を楽しもうと決めたのだそうです。

 誰しも、自分が話したことに笑顔で反応してもらえたらうれしいじゃないですか。「笑ってくれる=自分のことを認めてくれた」と感じるはずです。自分に置き換えてみても、何か番組で話をしたときに隣でものすごく笑ってくれている人がいたら、「助けられた!」「イイ子だなぁ」と好きになりますもんね。

 小さいことでもなんでも、自分がこれならできるということを一つ作るといいと思います。

あなたが「自分はこれならできる」ということはどんなことですか? (C)PIXTA
あなたが「自分はこれならできる」ということはどんなことですか? (C)PIXTA

自分のアイコンを出してコミュニケーションを楽しむ

 コミュニケーションを楽しむ上で、相手にとってそのとっかかりになるようなことならば、何でもいいんです。自分のほうから、「これが好き!」「これに詳しい!」というアイコンを出しておくのも一つの方法です。

 営業職に就いている人で、ものすごい阪神ファンだとします。会うたびに阪神の話をする。相手の認識は、「阪神ファンの○○さん」となり、次に会ったとき「阪神、勝ちましたね」「阪神、調子悪いですねぇ」などとその話題を投げられます。さらに発展して、何かスポーツのイベントがあったとして、「あの人野球に詳しいから聞いてみよう」と思い出してもらえるかもしれません。

 自分から話題にするのが苦手なら、社員証のケースやスマホケースに自分の好きなキャラクターグッズを取り入れるのもいいですね。日常的に使うグッズには、その人の趣向やキャラが出ます。「ディズニー好きなの?」などと、話を振られやすくなりますよ。

 話し掛けたいと思っていても、その人に対して情報が何かないと糸口がないわけですよ。「自分ことなんて聞かれてないし、興味もないだろう……」というのは思い込み。とっかかりを自ら提示するのは、コミュニケーションを楽しむための相手への優しさでもあると思うんです。

【手相お守り/よちよち幼児線、不思議ちゃん線、あやまりま線】
相手の手相をこっそり確認して、今後のコミュニケーションに生かせる面白い線を3つ紹介しましょう。人差し指の下にある短いシワのような線は「よちよち幼児線」といいます。どこか愛らしい雰囲気が漂いますが、いつまでたっても大人になれないので部下は面倒臭い思いをすることが多そう。
「不思議ちゃん線」は、薬指と小指の間に1本~数本短く入る線です。その場を和ませる癒やし系ながら、何をしでかすか分からない振る舞いで、周囲は振り回されることが多々。
感情線の下、頭脳線との間に入る線は「あやまりま線」です。高い理想を持つ人に現れる線で、自分の考えを貫き通すタイプ。自分に非があってもなかなか認めません。これらの線が上司にあれば、飲みの席などコミュニケーションが取りやすい状況で「○○さん、ほらー、あやまりま線がありますよ。気を付けてくださいね!」などと笑いにしつつ、ツッコミを入れて場を和ませてみては?

聞き手・文/平山ゆりの 写真/小野さやか、PIXTA