日頃は忙しくてなかなか時間がとれないという人こそ、ゴールデンウィークはおうちでじっくり本を読む時間を作り、自分磨きをしてみるのはいかがでしょうか。オールアバウトで「話題の本」ガイドをしている石井千湖さんに、ウーマンオンライン読者にぜひ読んで欲しいオススメの5冊をお聞きしました。

(C)PIXTA
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 日常の忙しいさなか、自分の人生を振り返ったり、未来を想像したりすることはなかなかありません。あちこちリアルにでかける休みの過ごし方も素敵ですが、たまにはまとまった時間を作って読書をすることで、これから起こりうること、けして起こりえなそうなことを本を読んで疑似体験してみてはいかがでしょうか。どれも女性の生き方について考えさせられる本ばかりですよ。

読むと元気が出る!少女マンガに革命を起こした漫画家の半生記

『少年の名はジルベール』竹宮恵子(小学館)

『風と木の詩』『地球へ…』などで知られる少女マンガ家の自伝。なんといっても萩尾望都と共同生活を送った「大泉サロン」の話が面白い。著者はそこで少女マンガの革命を目指す仲間に出会い、自分の描きたいテーマも見つけるが、やがて深刻なスランプに陥ってしまいます。焦りと不安にさいなまれ、体調を崩しながらも諦めず、ついに念願の作品の掲載に成功するくだりには目頭が熱くなってしまいました。仕事で壁にぶつかったときに手にとって欲しい1冊です。



結婚の恐ろしい一面をユーモラスに描いた芥川賞受賞作

『異類婚姻譚』本谷有希子(講談社)

幸せになるためにするはずの結婚の恐ろしい一面を描いた作品。主人公の「私」は結婚して4年になる専業主婦。旦那は人並み以上の稼ぎがあり、子供もいないので、気楽に暮らしています。ある日、写真を整理していた「私」は、自分の顔が旦那とそっくりになっていることに気づいてしまいます。他人に合わせているうちに自分がなくなってしまうところがリアル。一心同体というキレイ事では語れない、夫婦という関係の不思議を発見してみてください。



出産を望むなら、子供を産む前にぜひ読んでおきたい本

『れもん、うむもん!』はるな檸檬(新潮社)

妊娠・出産という女の人生の一大イベントについて語ったコミックエッセイ。著者は子供が大好きで欲しかったのに、いざ妊娠するとマタニティーブルーになってしまいます。苦しいつわり、終わらない仕事、おまけに「妊娠糖尿病」を患って……。何ひとつ思うようにならない現実に追いつめられ、感情を爆発させるところが切ないけれど、悩んだ果てに手に入れる幸福もあります。妊婦の孤独と絶望を包み隠さず描きながら、母になりたい人を励ましてくれる本です。