友達から始まった恋愛は初めてだった

旦那様との思い出を話す犬山さん
旦那様との思い出を話す犬山さん

 ちょうどその頃、私の友人が無人島で結婚式を挙げたんです。そこで一人きれいな星空を見てたらどうしようもなく泣けてきて、寂しさを共有できる相手として彼に「このままだと私まじで孤独死だわ」ってメールしたりして。っていうかこの話、読者の皆さん面白いですかね?

――興味津々、鼻息荒く読んでくれていると思います! しかし、「徐々に仲良くなった」って10文字足らずでサラッと流してますけど、友達から恋人になるその瞬間、そのテクが知りたいんです!

 ならいいんですけど……。まあ、とにかく話がすごく合ったんですよ。そもそも寂しい者同士かつ、お互い漫画を描いていたり、アイドルが好きだったり、学生時代イケてなかったり、表現することを仕事にしたことで生まれる悩みが似ていたり、共通の友人もたくさんいて。話しても話しても話は尽きない。

 そんなわけでちょこちょこ一緒に飲んでたんですけど、ある日彼の財布に600円くらいしかなくて、だったらもう家で飲もうということで、彼は缶チューハイを1本だけ買ってきて、部屋の隅っこで微動だにせず正座してて。で、またずっと話すんですが、ことごとくお互い共感できる内容で。共感ってイコール癒やしだったりもするので、それがすごく居心地が良かったんです。私の家だけど、彼がいるほうがむしろしっくりくる感じがあったので、ずっといてほしいなあとか思い出して。「この人もしかしてめちゃくちゃ相性がいいのでは……私、好きなのかなあ」とそこで気がついたんです。