自分で稼ぐほうが性に合っていた
私は、稼げているかどうかは別にして、お金を稼ぐのが楽しいので、自立心とかそういう立派なモンから稼ぎ頭になったわけではないんです。それと、本当に本当に家事が嫌いなので、苦手なこと、嫌なことをやらないために今のようなスタイルになったということですね(笑)。それも、押し付けるというよりは好きでやってくれる人を見つけるという。
――まだメジャーとはいえない犬山さん夫婦のスタイルに対して、周囲の反応はどのようなものでしたか。
気を使われているのかもしれませんが、「めっちゃいいね~」という反応がほとんどですね。つるちゃん(=夫の劔さん)も献身的過ぎるくらい率先して家事・育児をやってくれていますし、本当に助かっています。
だから、やりたいように好きな仕事をさせてもらっている私にはメリットだらけなんですけど、逆に夫のほうには「奥さんのお金で食べさせてもらってるんでしょ」みたいな風当たりがあるみたいで……。でもつるちゃんが家事をしてくれているからこそ私が仕事をできているわけで、「私の稼ぎ」じゃなくて、あくまで「二人の稼ぎ」なんですよ。
あと周囲の目だけでなく、稼いでいる側は関係性においてパワーを持ちやすい。それは、稼ぐ側が相手に敬意を持っていたとしても、家事に専念するほうは「結局自分は稼いでいないから」と自ら一歩下がってしまいがちだったりもして。稼いでくるほうが勘違いして、そこにあぐらをかくのは絶対ダメだし、パワーを持ちやすいことを自覚していなければいけない。だから社会に対しても、家事を担当してくれるパートナーに対しても、稼いでくるほうが丁寧に「二人の稼ぎだよ」って説明し続けないといけないなと思います。相手が少しでも「稼いでもらっている」と思ってしまったら、それは稼いでくる側の責任だと思うんですね。