1月上旬から花粉は飛び始める

 対策をしている人に対して、いつから対策を始めているかを聞くと、至って遅いことが判明しました。

 具体的には、「花粉による肌荒れを実感してから」(32.8%)、「花粉の飛散ピーク時期に入る直前」(19.4%)、「花粉の飛散ピーク時期」(10.4%)と、花粉がかなり飛び交っている時期に始めている人が約6割(62.6%)に。

 早めの時期から対策を始めている人は少なく、花粉が微量でも飛散し始めるタイミングで対策を取る人は35.8%でした。

花粉による肌荒れ対策はいつ始める?(単一回答、n=67)
花粉による肌荒れ対策はいつ始める?(単一回答、n=67)
飛散ピークが見えた時期や肌荒れを実感してから慌てて対策を始める人が多数

 慶田さんによれば、花粉は1月上旬から少しずつ飛び始めるため、「その時期から肌に花粉が付着するのを防ぐことが大切」とのこと。先手を打って花粉を肌に触れさせないようにし、皮膚炎を起こさないことが重要だそうです。

 「皮膚炎を起こしてしまうと、バリアはさらに低下し、悪循環を招きます。症状の程度によっては、薬を使って症状を抑える必要があったり、治りにくくなったりします」(慶田さん)

 慶田さんの病院にも、「飛散のピーク時に肌荒れなどの症状を実感してから来院する方が圧倒的に多い」ものの、本来は花粉による肌荒れを実感する前からの対策を心掛けることがおすすめだそうです。

保湿ケアでバリア機能を整えることが大切

 それでは、春先の花粉による肌荒れについて「普段とは違う特別な対策をしている」と回答した人は、具体的にはどのような対策をしているのでしょうか。最も多かった回答は「しっかり保湿する」(74.6%)でした。「マスクやメガネを使って花粉を避ける」(59.7%)、「睡眠をしっかり取る」(43.3%)がそれに続きます。

具体的にどんな対策をしている?(複数回答、n=67)
具体的にどんな対策をしている?(複数回答、n=67)
保湿、マスク・メガネ、睡眠が対策方法トップ3

 慶田さんによれば、十分な保湿ケアでバリア機能をしっかり整えることや、バリア機能のある化粧品などで肌をブロックすることが、花粉を含む刺激性皮膚炎の防止には役立つとのこと。約7割の人が実際に行っている保湿は、花粉による肌荒れの対策として適切なようです。

 一方で、「花粉を肌に触れさせない対策用品・メイクアップ用品を使う」と答えた人は16.4%。マスクやメガネで部分的な対策をする人は多いものの、肌全体に花粉が触れないような対策をしている人は少ないことが分かりました。

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 春先に肌荒れを経験したことがある女性の約半数が「花粉などの微粒子」を原因と考えているものの、実際に対策をしている人は約3割と判明した今回の調査。しかし、本来は花粉が飛び始める頃からの対策が大切なようです。

文/飯田樹 写真/PIXTA