気温の寒暖差が激しい季節は血行不良に注意!

 早春の3月ごろから初夏の5月ごろにかけては、日中の気温差が10度以上ある日が増え、この寒暖差も首こりの大敵となります。

 「急な気温の変化は自律神経の乱れを引き起こし、血流が悪くなります。血流が悪くなると筋肉が硬直し、首の血管や末梢神経を圧迫、さらに血行不良を引き起こすという負のスパイラルに陥ってしまいます。首の血管は外気に近いため影響を受けやすく、全身の血流にも関係します。寒暖差の激しい春から初夏にかけては、特に首こりになりやすいので注意が必要です」(佐藤さん)

 それでは、ここで「首こり」のセルフチェックをしてみましょう。

イラスト/ピップ提供
イラスト/ピップ提供

 首を無理に反らし過ぎず、顎をゆっくりと上に上げ、首を前後左右に1周させてみましょう。

 「首を上下左右に動かした時に首に違和感があれば、既に首こりの可能性が。『たかが首こり』と思わず、腕の痛みを伴うなど重症化の可能性がある場合はすぐ病院で診察を受けてください。放置しておくとさらに重症化するおそれがあります」(佐藤さん)

首こりの原因と対処法

 では、次に日常生活で首こりの原因になる姿勢や動作と、その対処法を紹介します。

寒い時期に行う動作に注意!

 今の季節は風邪やインフルエンザ予防のためにうがいをしたり、ドライアイ・花粉症対策のために目薬を差したりしますよね。実はこれも違和感があれば首こりに注意が必要な動作です。

 「上を向いて首を反らす姿勢は首に負担がかかるため、首こりの危険があります。美容院のシャンプー台、うつぶせになって読書をする姿勢も上向きの姿勢が続くため、違和感があれば注意するようにしましょう」(佐藤さん)

寒い時期に着用する衣類にも気を付けて

 寒い時期に欠かせないファッションアイテムといえば厚手のジャケットやストール。でも、一つ間違うと首こりの原因になってしまいます。

ジャケット

 女性の体格には個人差があり、首から肩にかけての傾斜は、いかり肩からなで肩まで一人ひとり異なります。

 「ジャケットが首から肩にかけての形状にフィットしていないと、襟元にすべての重みがかかるか、逆に両肩に重みがかかり、首後部周囲の僧帽筋が緊張し、首こりの原因となります。ジャケットは重さと首回りから肩までのフィット感を重視して選びましょう。

 また、立っているときと座っているときでは姿勢が異なるため、両方の姿勢で試着することも大切です。特に仕事がデスクワーク中心の人は、座った姿勢でのフィット感を必ずチェックしましょう。既製品がなかなか合わない場合はオーダーメイドなどで軽いジャケットを選ぶのも一つの手です」(佐藤さん)

ストール

 お洒落にも首の防寒にも役立つストールですが、巻き方次第では首こりになる可能性も。

 「きちっと巻き過ぎると首の動きが妨げられ、首の筋肉が緊張してしまいます。反対にルーズに巻き過ぎると、ストールがほどけないよう無意識に首が緊張することになります。ストールは首を温めるという意味では首こり予防にもなるアイテムですので、ほどよくゆとりのある巻き方で着用するようにしましょう」(佐藤さん)