食欲の秋ですが、やはりダイエットも気になります。年を重ねてくるなかで食事の量は増えていないのに、体重が落ちにくくなったり、なんとなく不調を感じたりすることが増えてきていませんか? 忙しい大人が無理なく食事をしながら健康になるために、食と健康を見直すポイントについて管理栄養士の岸村康代さんと医師の池谷敏郎さんに聞きました。

しっかり食べたい秋野菜 食物繊維が豊富なものも多い (C)PIXTA

食物繊維不足はアレルギーやメンタル面にも影響大

 岸村さん自身、あらゆるダイエットを試し、苦しんだ経験があるといいます。そこで、食生活を改善することでやせ体質になることを目指しました。そのなかで重要なポイントとなるのが、食物繊維の摂取。食物繊維というと、便通の活性化のために積極的に摂るべき栄養素だと私たちはすでに知っていますが、それ以外にも大きな役割を担っています。

管理栄養士の岸村康代さん

 「食物繊維は地味な栄養素なのですが、最近注目されている腸内環境を改善したり、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたりするなど、体に有益な働きをもたらします」(岸村さん)

 食物繊維には大きく分けると水溶性と不溶性とがあります。前述の便通の活性化に役立つのが不溶性食物繊維。そして、腸内環境を整える作用があるのが水溶性食物繊維。腸内で発酵することで、善玉菌をより繁殖しやすくして腸内環境を整えます。

 最近の研究では、腸内環境の良し悪しは肥満、糖尿病、アレルギー、さらに自閉症などのメンタルケアにも関係するといわれています。水溶性食物繊維は、腸内環境を整えるためにもしっかり摂る必要があります。

 しかし、「必要とされている量の70%程度、ひどい方は50%以下しか摂れていないというのが現状です」と岸村さんは注意喚起します。

食物繊維の摂取は将来の若々しさへの鍵

 あまり知られていない衝撃の事実が、食物繊維不足は肌荒れだけでなく、将来できるしわやたるみの原因にもなるということ。

 「食後の血糖値が急激に上がると、コラーゲン繊維にも影響を及ぼします。べたべたとした糖が体内でキャラメルのように固まり、コラーゲン繊維を硬くし、それがパリパリと壊れやすくなるイメージ。しわやたるみの原因にもなってしまいます」(岸村さん)

 このほか、食物繊維には悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを吸着し、脂質の排泄を促す効果もあります。肉類や脂質の多い食事を摂りがちな人こそ、食物繊維をたっぷりと摂ることがおすすめです。