6キロ減で夫婦関係が改善! ~Cさん(40代、会社員)

ポイント3・食物繊維やたんぱく質の食材を増やす

 子育ても頑張っているCさんは、初めてお会いしたときは、せっかくの可愛らしい顔立ちが「ぽっちゃり」の中に隠れてしまっているように見えました。Cさんは当初「食事の量は少ないのにちっともやせない」と悩んでいました。

 ヒアリングの結果、やせない原因は「食べ方のバランスの悪さ」と判明。量は少ないものの、パンや白米など糖質中心の食生活で、ほかの大事な栄養素や腸内環境を整えてくれる食物繊維が足りなかったのです。そこで、食事のメニューに食物繊維の多い食材やたんぱく質の多い食材を増やし、夜に摂取する糖質を控えてもらうようにしました。

食物繊維とたんぱく質を意識的に摂取 (C)PIXTA
食物繊維とたんぱく質を意識的に摂取 (C)PIXTA

 するとCさんは2カ月で6キロやせて、「誰ですか?」というくらい見事に変身しました。私よりも年上の女性ではありますが、本当に可愛くキラキラして、内側から自信がみなぎっている感じです。やせる前はダボッとした服を着ていたのですが、長い間クロゼットに眠っていたワンピースを十数年ぶりに着てみたそうで、とてもお似合いでした。

 ご主人との関係性も変わったといいます。お子さんも含めてもともと仲の良いご家族でしたが、ご主人とは、いつしか「子どもの父と母」という感じの関係になっていました。でも、Cさんがやせるとご主人は「変わったね」と言ってくれて、お互い夫婦としての意識が強まり、いっそう仲良くなれたとのこと。それまで何をやってもやせなくてあきらめモードだったCさんは、正しい頑張りで気持ちも上向きになり、毎日を楽しんでいます。

最初の2カ月で食習慣を見直し、その後は適切に食べる

 ご紹介した方々を含め、ダイエット指導させていただいた方は今もみなさんリバウンドすることなく良い状態をキープされています。それは、本来の誤った頑張り方をやめて、適切な「食べ方の視点」を見直したから。特にダイエットを始めてから最初の2カ月は食習慣を見直す大切な時期ですが、本質的に適切な食べ方を身につけると、多くの方々はその期間を過ぎてもさらにやせたり、体調が良くなったりしているのです。

 どの方も、ダイエットが軌道に乗ると、会うたびにキラキラしてきます。そういうお姿を拝見すると、いつも涙が出そうなくらい感動してしまいます。ダイエットの成功がその人にもたらす自信、メンタルの安定、体力の安定。それらが相乗効果を発揮したとき、人生も自然と上向きになっていくのではないでしょうか。

 「継続は力なり」は食生活も人生も同じ。ぜひみなさんも、見聞きしたダイエット法にやみくもにトライするのは卒業し、今の食生活を一度正しく見直して「無理なくできること」からスタートしていただけたら幸いです。

文/岸村康代 写真/PIXTA

Profile
岸村康代さん
一般社団法人 大人のダイエット研究所代表理事
フードプランナー/管理栄養士


病院やメタボリックシンドローム指導の現場で数々の健康的なダイエットのサポートをしてきた経験やシニア野菜ソムリエなどの資格を生かし、商品開発、事業開発、講師、メディア出演など、多方面で活動。目的に合わせて効率よく栄養を摂る“パワーフードスタイル”を提唱し、大人のダイエット研究所では、自身の15kg減量を実現した経験から、「いかにおいしく食べながらストレスなく健康的な食事をするか」を提案している。

著書に『10日間でやせ体質に生まれ変わる野菜レシピ』(アスコム)など。
大人のダイエット研究所 http://otona-diet.jp