なんでもかんでも「かわいい!」って褒めることは必要ですか?

「職場に女性が多いのですが、毎日のように着ている服や持ち物について『それ、かわいい!』と言われます。最初のうちは褒められてうれしかったのですが、あまりにも言われ続けるとお世辞なのかな? と思えてきて……。私は口に出して気持ちを伝えるのが苦手。ましてやお世辞なんて言えない性格なのですが、社内で円満に過ごすために、『かわいい』と言わなければ駄目でしょうか。」(Aさん、27歳、サービス)

言葉はもっと大切に扱ったほうがいい

 「無理をしてまで、言わなくたっていい! そんなお世辞の『かわいい』の言い合いを続けていたら、一生その関係性から抜け出せなくなるし、お互いの仲は深まらないと思います。それだったら、普段は言わないけれど、年に一回本当に『かわいい』って思った時に言ったほうが印象に残るはず」

 「かわいい」「キレイ」など、簡単に使えてしまう言葉だからこそ、言うタイミングが重要と語る小池さん。

 「乱発するほど、その人の発する『かわいい』の価値が低くなっていくと思う。それはすごくもったいないこと。損してますよ。言葉って、もっと大切に扱ったほうがいいんじゃないかなと思いますね」

「いない人の悪口」ってなくならないの?

「転職した職場ですぐ仲良くなったBさん。偶然出身地が近かったこともあり、話も弾んで週に何回かはランチに行っています。仲良くなるにつれ、時々そこにいない人の悪口を言うことがあり、軽く聞き流していたのですが、最近別の人から、『Cさんはいい子ぶっているんだよね』と言っていたよと聞かされて。なんだか悲しいです」(Cさん、32歳、流通)

みんな、不安だからかな

 「女子特有ですよね。つるむのも好きですし、グループを作ったりとか。一体感が欲しいのかな。一人だけ悪口を言わずわが道を行って、周りから『変わり者』って思われるのが怖いんですよね」

 小池さんは女子高出身。ご自身もこうした経験はあるのだそう。

 「悪口を言わない人に憧れを抱いているものの、周りに合わせて自分も悪口を言ってしまうイエスマンから抜け出せない人って多いと思います。必要なのは、周りが悪口を言っていても自分は断る、反論する勇気ですよね」

 その勇気を持つには、絶対的な味方が必要だと語る小池さん。ご自身は特に結婚してから、前よりもその勇気が持てるようになったんだとか。

 「自分に絶対的な味方がいるって人間を強くしますよね。私は結婚してから『何があってもこの人がいる』っていうことが、生きる上での自信になったんです。そう思える人がたくさん増えていったら、悪口を言う人も減るんじゃないかなと思います」

 とはいえ、毎日仕事でいろんなタイプの人と顔を突き合わせていると、つい心の声が……なんて時もあるはず。

 「でも、悪口ってなくならないのかも。人は強くないから。なくならないかもしれないけれど、『言わないようにする』ことはできる。10年、20年後、自分は悪口を言わない人間になっていよう、という心掛けは大事だと思います」