LCCは、時にハラハラドキドキ

 札幌からの帰りに、飛行機が一時間以上も遅れて出発したことがある。成田空港はで23時の「門限」を過ぎると着陸できないルールが設けられており、「場合によっては引き返す可能性もあります」という恐ろしいアナウンスが流れる中で飛行機は離陸した。

 結局ギリギリ間に合って着陸できたのだが、成田に着いた時点で既に終電も終バスもなくなっていたから、大変なことになった。都心まで帰るにはタクシーを拾うしかない。絶望的な状況と言っていい。

第3ターミナル開業前は成田空港の隅の方にカウンターがあった 写真/吉田友和
第3ターミナル開業前は成田空港の隅の方にカウンターがあった 写真/吉田友和

 空港は既に静まりかえっており、乗ってきたLCCのカウンターをチラリとのぞいたら誰も人がいなかった。航空会社の都合で遅れたとはいえ、彼らとしても目的地まで運び終えたらもうお役御免なのだろう。

 かくなる上は自力でなんとかするしかない。諦めて空港で夜を明かすことに決めた人も多いようだった。僕自身はスマホで成田市内のホテルを急きょ予約した。成田市内へ出る電車も終わっていたので、ホテルへはタクシーで向かった。結果的に飛行機代より高くついてしまった、というオチである。

 LCCの感想が両極端になるのは、こういうことが起こり得るからではないかと思うのだ。何事もなく行って帰って来られた人は「安い割には問題なかった!」となるのに対し、運悪くトラブルに巻き込まれた人は「二度と利用したくない!」という感想を持つ。あまり旅をしないような人ほど、この傾向は強いような気がする。