飛行機旅の「暗黙の了解」が通用しない
もちろん、オプションで広いシートを指定する方法もある。
LCCでは大抵は最前列や非常口そばなどに、空間に比較的余裕のある座席が用意されている。いい席になればなるほど追加料金が割高にはなるものの、シートの良し悪しは機内での快適性に直結する。狭さがどうしても許せないのならば、検討する価値はあるだろう。
こんなことがあった。以前、とあるLCCに搭乗した際、他の乗客に「座席を代わってくれませんか?」とお願いをされた。見ると外国人のカップルで、どうやら席が離れ離れになってしまったようだ。こちらが一人で旅していると割とよくあるシチュエーションと言えるだろうか。
普段なら快く代わってあげるところなのだが、LCCだとこれが悩ましい。そのときは、こちらもお金を払って座席指定していたから、どうしたものかと思案した。
結局そのカップルにシートを譲ったのだが、モヤモヤした気持ちになった。断ってもいいとは思うものの、面と向かって頼まれると拒絶しにくいのも正直なところだ。
「お客様の座席のご移動は、ご遠慮いただいております」
LCCではこんな内容の機内アナウンスが流れるのもお決まりである。たとえ空いていたとしても、指定されたシートに座り続けなければならない。すぐそこに3列誰も座っていないシートがあるのに、自分は両隣を知らない人に挟まれている……みたいな状況も多く、もどかしい思いをすることもあるだろう。
また、隣の席に誰もいない場合も喜ぶのは早計だ。これ幸いとばかり、荷物などを置きたくなるところだが要注意である。
ピーチでは隣席利用も「スペースシートオプション」という有料サービスになっている。料金は国内線だと1席当たり2000円。レガシーキャリアでは暗黙の了解だったようなこともLCCでは通用しなかったりするから油断できない。