NGな評価の仕方は?

――NGな書き方もあると伺いましたが、どのようなものですか?

 例えばAさんに全額を渡して残り全員はゼロ、というつけ方ですね。絶対にダメというわけではありませんが、ゼロの人たちのモチベーションが下がり、全員辞めてしまったとしても、本当に自分は仕事ができるのか。そこまで考えてほしいのです。年に一度でも、会社組織のことを真剣に考える機会になればと願っています。

――今後の制度運営にあたって、課題などはあるのでしょうか?

 今のところは予想以上によく機能していると思います。ただ、最近若い社員から聞こえてくるのは、「人の評価なんてしたくない」という声です

 確かに、お金で同僚を評価するというのはシビアなのかもしれません。あまり関わりのない社員の分まで評価するというのは、ある意味面倒なことでしょう。しかし、「今年、私の部署は大きく貢献したから、賞与もたくさんもらうべきだ」と主張できるわけです。個人が部署間のパワーバランスにまで関与できるということで、全員が会社の経営に参加しているのです。

 ボランティア活動ではないので、会社は利益がなければ存続していけません。資本主義社会ではそれは当たり前のこと。個人で考えても、それは同じですよね。自分の利益を上げるには、会社に貢献することです。全員がそう思っていれば、会社はもっともっと成長できる。ですから、自分の影響力を意識して、楽しんでほしいです。今後はその意図をもっと伝えていこうと思っています。

――ありがとうございました!

文/藪内久美子 写真/編集部

フォルシア
2001年設立。膨大なデータベースから、必要な情報を的確に、素早く探し出す情報検索プラットフォーム「Spook(R)」の開発を手掛け、大手旅行会社などに採用されている。社員は半数近くがエンジニア。社員の働きやすい環境づくりに力を入れており、2016年、2017年の2年連続で「働きがいのある会社」ランキングに入賞、2017年には「3C制度」が「グッド・アクション」を受賞した。
URL:http://www.forcia.com/

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