10年連続売り上げ右肩上がりの通販化粧品会社ランクアップが導入している「改善提案制度」。前回の「残業せずに社員一人が1.6億円稼ぎ出す会社に潜入!」では、同制度で実現した成果の一部を紹介しました。潜入取材第2回では、社員が気軽に提案できる雰囲気づくりに役立っているオリジナルシートの拝見から!
「こんなことできたらいいな」を引き出す魔法のシート
PCメガネ代、手帳代、カードキーケース代の支給など、「こんなことあったらいいな」を細やかに実現しているランクアップの改善提案制度。
では、実際にどんなシートを使って社員の皆さんが提案を書いているのか、見せてもらいましょう。
記入例を見せてくれたのは、入社2年目の若手社員、製品開発部の河村美歩さん。入社から1年ほどですが、これまですでに20件ほど提案を提出したのだとか。新入社員にとっても気軽に活用しやすい制度であることが分かります。
「改善提案書」と題されたシートには、日付と氏名を書く欄、「現状の問題点」「改善策」そして「その改善をした場合の効果」を自由に記入する欄が。シンプルな記入欄ながら、単に漠然とした希望を述べるのではなく、課題認識力、具体的効果を見据えた提案力をポイントにしていることが分かりますね。
さらに、至急対応を希望する場合の期日希望を記入する欄もあって、会社側の“本気で対応する姿勢”が伝わってきます。
注目は「回覧してもOK!」または「回覧しないで!」を選択するという点。記入者本人さえよければ回覧して社内公開するというオープンな仕組みが、かえって「気軽に提案しやすい空気」につながっているそう。「誰がどんな提案をしているのか分かり、『こんなささいな提案もアリなんだ!』と思えることで提案が活発になります」(広報部 島田めぐみさん)。
シートの下部には、「審査コメント」欄が。社長が採否のコメントを書き込む欄ですが、「面白い!採用。総務部の○○さん、ヨロシク~」「いいね。考えさせて」などフランクな言葉が並びます。
この“打てば返る”リアクションが、採否に関わらず「また提案しよう!」という動機につながっているそうです。
「入社2年目だとなかなか社長に直接相談できるチャンスはありませんが、この制度があることでコミュニケーションができることがうれしいですね。しかも、提案する内容は本当に何でもいいので、気軽に書けます。『エアコンの消し忘れがあるので、ドアの近くに注意書きのシールを貼りませんか?』という提案が採用された時は、それだけでも自信につながりました」(河村さん)